MELC(長岡ゼミ)のブログ

子供たちに憎しみを残さないように

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 5月21日、私は「ルワンダの子供たちから平和を考える講座」というイベントに参加した。このイベントが行われた会場が、H.I.S.旅と本と珈琲とOmotesandoであった。ここは原宿にあるH.I.S.の店舗なのだが、「旅のきっかけは表参道から。」というテーマをコンセプトとしていて1階には喫茶店があり、私たちがイメージするH.I.S.とは全く違った雰囲気であった。そして今回イベントを行った地下1階のBook Shopというスペースには世界各国の旅に関する本がたくさん並べられていた。つまり旅行先が決まってなくても旅行会社に来てから決められるのである。

 このイベントは約20年前に起こったルワンダの大虐殺をテーマに、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンの堂道有香さんが講師として来て頂き、実際に支援している活動やそこでルワンダが現在行っている政策などについてお話をしていただくことを主旨とするものであった。現在で大虐殺から20年以上が経ち、刑務所から多くの人が出てくるようになった。被害者側の人たちは憎しみの気持ちでいっぱいなため、加害者と同じ地域に住みたくないと思う。そうした状況下で堂道さんは、被害者と加害者が和解し、子ども達に憎しみを残さないために何ができるかといった問題意識を掲げて活動している。

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 現在ルワンダは飛躍的に経済成長を遂げている。先ほど述べた和解の影響がその主な理由なのだそうだ。被害者は加害者を赦すことによって、両者は生活のため協力して活動を行う関係を築くことができる。だから結果として、以前よりもまとまりある国になったそうだ。またそれを形として現すために「平和の木プロジェクト」という活動が行われている。これは加害者が被害者の家に木を植え、共に木を育てていくというものである。これにより両者の親睦が以前よりも深まったそうだ。

 しかしなぜこうも簡単に和解しあえたのだろうか。自分の親や親族、友達が殺されてしまった場合、殺した人に対して一生憎しみの気持ちが消えないだろうし、反省の気持ちがあったとしても中々赦そうとは思えないであろう。ただ堂道さんのお話を聞いて、ルワンダの被害者側の人たちもきっと完全には赦してはいないのだろう。しかし生活や将来のためにも憎しみの気持ちをあまり抱かず、たとえ争った部族同士でもその事実を過去のものにして前に進まなければならないのだと思った。

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 堂道さんのお話の後、近くにいた人と議論することになった。そこで様々な側の視点に立ち、率直に思ったことを話し合った。まず被害者側の視点に立った時、自分のグループは「恨む」や「関わりたくない」など一言ずつの意見交換で終わっていた。しかし加害者側の視点に立った時、「何度も会って言葉だけでなく、行動でも反省の気持ちを示す」や「会いたくないと言われたら手紙やお金を送る」など具体的な発言が増えてきた。そして最後に赦しの必要性を議論した時には、お互いの意見に対して共感したり指摘しあえたりできた。これは最初お互い遠慮しあっていたのもあるかもしれないが、様々な視点に立つことによって見えるものが増えてきてより深い議論ができたからだと思う。

 最後にこのイベントの問題意識であった子ども達に憎しみを残さないことの重要性が理解できた。そうすることによって経済成長し子どもたちは今よりもっと豊かに暮らすことができるようになった。また様々な視点に立ったことによって被害者側だけでなく加害者側のメリットも理解できた。それは加害者側も和解できたことにより、もっと被害者に尽くそうという気持ちになったり、加害者側の子どもたちも責任感を感じずに過ごすことが出来たりするからだ。よく「憎しみからは何も生まれない」という言葉があるが、私はこのイベントに参加してそれをより実感できた。

カテゴリー: 越境レポート

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