MELC(長岡ゼミ)のブログ

クリーニングデイを通して感じた、スローな生産を続ける難しさ

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私は5月の28日に蕾の家という古民家で開催された、クリーニングデイというイベントに参加した。クリーニングデイと言われて、何を想像するだろうか。私は最初このイベントをFacebookで見つけたとき、直訳で掃除の日かと勘違いした。だが、実際はフィンランド発のリサイクルカルチャーイベントであった。コンセプトはフィンランドと日本で異なり、フィンランドではリサイクルのハードルを下げることを目的としているのに対し、日本では古い不要なものに新しい価値を付け、全く新しいものに生まれ変わらせるアップサイクルを目的としている。また、フィンランドではこのイベントが年2回開催されているため、それに合わせ日本でもフィンランドと同日で全国各地さまざまな形で開催されていることが特徴だ。 今回私が参加した場所である蕾の家は、鎌倉市の由比ヶ浜駅から徒歩5分先にある。蕾の家の建具は藤沢の100年近い古民家の廃材を再利用しており、まさにクリーニングデイを開催するうってつけの場所だなと私は思った。また、蕾の家は普段からイベント会場として利用されているらしい。

IMG_8510.JPG今回会場となった蕾の家

今回のイベントでは、Take it Slow!というフィンランドの短編ドキュメンタリーを観た。このドキュメンタリーでは、ファストファッションが拡大し大量生産に大量破棄がされる現代において、あえてスロー(=非効率)でアップサイクルな生産を、いかにしてサスティナブルな活動としていくかについて語られていた。スローな生産で時間と技術を費やしたものの値段は、その価値相応のものとして、ファストファッションより必然的に高くなる。消費者は長持ちせずともとにかく安価なファストファッションに目がいきがちになってしまうため、スローな生産による商売は、クオリティ等何かしらの妥協をしないとサスティナブルな活動としていくのは難しいという。これを踏まえ、なぜスローファッションがサスティナブルである必要があるのか疑問を感じる人もいるかもしれない。少なくとも、私はスローファッションがなくなっていいものではないと思っている。なぜなら、それらは先ほども述べたが時間と技術によるコストが大きいが、それ相応の価値があることや、消費者のファストファッションによる「安いから捨ててもいい」という考えから、大量破棄がなされている現状は見過ごせたことではないからだ。またTake it Slow!を観たあとのダイアローグでは、昔の方がスローな生産が活発であったという会話をした。大量生産できない時代だからこそ、使い回しアップサイクルでオリジナリティに富んだクオリティの高いものができていたという話は印象に残っている。

クリーニングデイを通して、最終的に心に残った疑問は「スローファッションを残すために、どうすれば消費者にスローファッションを意識させるのか」。技術が発達し、安価で大量生産品が手に入りやすい現代では難しい課題だと思う。人それぞれ所得は異なるのだから、価値があるとは言えどスローファッションは金額的に購入が難しいという人もいるだろう。私もその一人である。だが実際ファストファッションとスローなファッションを物持ちの良さで比較した場合、果たしてスローな生産品は値段が高いのか。将来性を考えると、スローファッションの方が物持ちの良さと、高く買ったものは捨てにくく大切にするという感覚が大量破棄の改善に繋がるため、一石二鳥なのではないだろうか。また、ファストファッションを買うにしても服の大量破棄が問題となっている今では、本当にその服欲しいのかと、破棄を前提としない選び方が重要だと私は思う。

 

カテゴリー: Sakuma 越境レポート

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