私は4月27日、文京区にある根津スタジオでエンパブリックが主催する「若者が本当に投票したくなる選挙を実現するには?」というワークショップに参加した。以前テレビで政治家の方々が学校で高校生に分かるように各々の公約を説明したり、実際にある社会の問題を学校生活に例えてお話しされたりしているニュースを観た。私はこれを観て「ついにまだ社会に出ていない高校生も政治について考える時代になったか」と驚いた。そしてまた同時に「本当にそれで大丈夫なのか」と疑問を抱き、まずは自分が政治と向き合わなければならないと思い参加に至った。
このイベントはまず参加者の自己紹介から始まった。政治にあまり関心がなかった人から議員インターンシップを行っていた人や学生から公務員など興味・関心、職種など様々などが集まった。次にNPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんから若者と政治をつなぐ「場づくり」というテーマでお話をされ、自身が行っている活動なども紹介して頂いた。その後、中野区議会議員である中村延子さんからお話があり、中村さんがアメリカの大学に通っていた時に、同時多発テロなどを経験したことで政治に関心を持つようになったなど議員に至るまでの紹介をして頂いた。そしてお二人のお話を聞いて、気づいたことや疑問思ったことについてグループでディスカッションを行い、最後に全体で共有するという展開だった。
そして私がこのイベントの中で最も印象的だったのは先ほども紹介した原田さんのお話である。まず初めに驚いたのが原田さんの話し方だった。政治と関わりがある方なので、自分の勝手な先入観ですごく「お堅い人」だと思っていたけど、大好きなサッカーに例えながら話したりととても気さくな方で、緊張感が漂っていた場も和やかなムードになり、自分もリラックスして話を聞くことが出来た。また原田さんのお話の中で、「若者は政治を知る機会があまりないため、教育などの社会全体を変えていく必要がある」とおっしゃっていて、自分も主体的に学ばない限り政治とはあまり関わっていないなと気づかされ、とても共感した。
さらに原田さんのお話を聞いて、イベント参加前に抱いていた「選挙権を引き下げて大丈夫なのか」という思いも強くなった。実際18歳と19歳を対象にした世論調査でも6割以上の人が選挙権引き下げに反対をしており、「どこの党に入れればいいか分からない」など不安を抱いているのだと思った。自分も投票権を既に得ているが、あまり今の政治情勢を理解できていない。しかし、原田さんは「若者は知識がないと話しちゃだめだと思っているが、政治は学ぶものではなく関わるもの」とおっしゃっていて、高校生ではまだ理解できない問題もあるかもしれないが、積極的に関わることによってどんどん夢中になっていくかもしれないと思った。
最後にこのイベントを通して政治への関心が高まった。政治の問題は、どの立場から見るかによって見え方も違い、満場一致の答えを出すのも難しいため、中々解決に至らない問題もあるが、今回のように一人一人が真剣に議論しあい、若者も知識がないなどとためらわず、幅広い年代に人が政治に向き合っていけばどんどん問題解決していくのではないかと思った。また日本もアメリカのように選挙を一大イベントのような熱狂的な盛り上がりを見せられれば、さらに政治家の気合も高まり、好循環になるのではと思った。
そして若者が政治との関わりを持つためには、まず政治という概念を変えていく必要があると思った。やはり政治というと固いイメージがあり関わりにくいと思ってしまう。しかし政治というのは身の周りにたくさんあり、実は知らない間に関わっているのである。だから政治と意識せずに身の周りの問題を解決しようという姿勢でいけば、おのずと深く関わっていけるのではないかと思った。そして私はこの夏に行われる参議院選に初めて投票しに行き、周りの知人にも呼び掛けしていこうと思う。
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