私たちの日常生活において今や切り離せない存在となっているファストファッション、実はその製造や販売の裏側では様々な問題が発生していると聞きました。それを解決していこうと取り組むエシカルファッションというものについて知れる映画があると聞いて、4月24日に日本橋にある「エシカルペイフォワード」で行われた「ザ・トゥルーコスト~ファストファッション真の代償~」の上映会に私は足を運びました。
映画では、バングラデシュの縫製工場で低い賃金で働かされている女性が、泣きながらインタビューに答えたり、縫製工場が入った建物が崩壊し多くの人が犠牲になったり、コットンを大量生産するために大量の農薬を使い、それによって身体に障害が出てしまった人など、ファストファッションの裏側で起きている問題をまざまざと見せられ、言葉が出ませんでした。
エシカルペイフォワードの二階での上映会が終わった後、一階で実際にエシカルファッションに関わる商品を見ることができました。その中でいくつか気になるものがありました。たとえば、オーガニックコットンを使ったインナーは、「農薬を使わないことで着る人の肌に優しくなっているんだろうな」くらいにいつもは思っていたものが、映画を見た後に現物を見ると、農薬を使わないで栽培することが農家の人や現地に住む人や生物、そして土地自体にも優しいのだと感じることができました。
もうひとつ、宮城県石巻市の牡鹿半島の鹿の革から作ったペンケースが気になりました。この商品はどんな問題を解決するものなんだろうかと考えていると、スタッフの方が「これは東日本大震災のよる津波で漁船が壊れて漁に行けなくなった漁師さんのためのブランドなんですよ」と教えてくださりました。それを聞いて、エシカルファッションが取り組んでいる問題はファストファッションに関係するものだけでないことや、海外ではなく日本で起きている問題にも取り組んでいることを知りました。
また、エシカルペイフォワードに並んでいる商品を全体的に見て驚いたのは、フェアトレード商品などにありがち(と私は考えていた)な”この商品の売り上げの○○%が✕✕に寄付されます”などというようなアピールがほとんどないことでした。このことについても、スタッフの方に伺ってみると「支援や寄付を目的に買っていただくのではなくて、デザインのかわいさなどから商品を買っていただきたいんです」と答えてくださりました。
先進国がファストファッションを楽しむ裏側で、それを作らされている発展途上国などでは多くの悲惨な問題を抱えていること、そして、もちろんファストファッションや環境問題以外にも私たちの身の回りにはたくさんの問題があふれており、それは発展途上国だけではなく日本もそうだということ、そして、そういったあらゆる問題を解決していこうと幅広く取り組んでいるのがエシカルファッションだということを今回知り、実際に触れることができました。
いつも着ているファストファッションの服を買わないことや、それよりも若干値の張ってしまうエシカルファッションの商品を多く買うことは、正直私にはまだ難しいです。しかしその商品はどんな人が作っているのか、それを買うことでどんな影響があるのかを想像することはできます。日本から遠く離れた国の問題も、国内の問題も、自分たちの行動で少しずつ良い方へ変えていけるはずです。まずは実際にエシカルファッションに触れて、世界にはどんな問題があるのか考えてみることが重要だと思いました。
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