5月14日に卒業生であるサラさんの勤め先で「サルベージ・パーティ」を開催した。「サルベージ・パーティ」とは参加者が家にある、使わない食材や余っている食材を持ち寄り、集まった食材をプロのシェフが美味しい料理に変え、できた料理をシェアするイベント。普段捨てるかもしれなかった食材をうまく使うことで、フードロス(食品ロス)を減らす動きにつながっている。だが、何よりも大切なのが、「サルベージ・パーティ」を通して新しい「食」の楽しみを感じてもらうこと。無理してフードロスの削減するのでなく、楽しみながらできる範囲でフードロスに関わってもらうためだ。そして、今回は主催者として「サルベージ・パーティ」を開催し、参加者に新しい「食」の楽しみを伝えることを行った。
(食材がレトルトや乾麵など長期保存ができるものが多かった。)
集まった参加者は8人、食材は約20品集まった。集まった食材の多くは長期保存ができる乾麺やカレーのルー、トマト缶などである。今回の「サルベージ・パーティ」はシェフではなく、参加者みんなで作る形式で行った。集まった食材をみながら、参加者は作る料理を考えていく。集まる食材は事前に知ることができないため、その場で即興的なアイディアや挑戦が求められる。実際に始めてみると集まった食材を見ても、できる料理をイメージするのが難しい。普段の料理であればレシピに則って食材を用意して、作るだけだが、今回はそう上手くいかない。参加者は難しい表情しながらも、使えそうな食材をグルーピングしていく。なんとなく作れそうなイメージがついたものから料理を開始した。作っていくうちに、新しいアイディアが出てきて、ある参加者から「これとこの食材を掛け合わせたら、面白そう!」という声があがった。すると、他の参加者もやってみようという動きになり、作っている途中のものに他の食材を入れてアレンジをし始めた。
(できた料理にオリジナルの料理名を書いていく)
参加者のひとりの女性が料理中にクスっと笑いながら「こういうの初めてだけど、面白いね。」とつぶやいた。主催者側として一番うれしかった一言だった。その女性だけでなく、他の参加者も楽しい雰囲気でキッチンに立っていた。私は主催者として参加者の作る一連の姿をみていると、参加者の変化に気付いた。はじめはなんとなく何ができるのか、そもそも料理ができるかという不安な思いでいっぱいだったが、途中から何かが作れそう、やってみようっといったチャレンジすることへの楽しみを見出していた。結果、できた料理は7品となり、参加者みんなで食卓を囲んで食べた。できた料理がどれも美味しく、作った参加者自身が少し驚きながらも美味しいと頬張っていた。中でも個人的にが気に入ったのがチーカマを細く刻んで、しらすと味噌で和えたものだ。振り返ってみると、できた美味しい料理は参加者が使わず、余って持ってきた食材からできているのだ。最終的に使わなかった食材も他の参加者で使いたい人にシェアされた。これも「サルベージ・パーティ」の魅力である。
普段は既存のレシピ通りに料理を作ったり、チーカマのようなそのままで食べられるような食材を買うだろう。だが、「サルベージ・パーティ」では使わず、余った食材だけで新しい料理が生まれる。料理を作る中で、レシピには載ってない新しいアイディアや挑戦をすることでワクワクや作る楽しさと感じるのだ。「サルベージ・パーティ」に参加したことで、普段の料理でもチャレンジしてみたり、買い物仕方を変えるきっかけとなれば、身近なフードロスの問題につながっていくのだ。
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