MELC(長岡ゼミ)のブログ

The true cost上映会に行ってきた「1人が100をやるのではなく、100人が1をやる」ということ

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皆さんは「ファッション・レボリューション・デー」をご存知ですか?
2013年4月24日にバングラディシュのダッカにあるラナプラザという縫製工場を含む複合施設の倒壊事故が起こりました。その結果、死者が1000人以上出てしまうという最悪の結果になり、その中には私たちが普段着るような有名ブランドの服を作る工場もあり、この事件は大きな注目を浴びました。その苦い経験を風化させないためにも「自分の来ている服は誰が作っているのか」ということを改めて考える日として毎年4月24日をファッション・レボリューション・デーとし、自分の持つ服に目を向ける機会を作っています。

このラナプラザ倒壊事故をはじめとしたファッションの裏側にある労働問題や環境問題などを写した初のドキュメンタリー映画「The true cost」が2015年に上映されました。自分たちに身近な服がどのように作られ、どのように消費をされているのかが描かれており、今まで想像もしなかった非常に衝撃的な内容が描かれています。

IMG_4752.JPG

会場にあったファッション・レボリューション・デーのPR写真。
「#who made my clothes?」とともにに自分の服のタグの写真をSNS上で投稿することを呼びかけていました。

この映画は大きな反響を呼び、各地で上映会が行われています。私は今回4月24日ファッション・レボリューション・デーにフェアトレードブランド People Tree が主宰する「The true cost」上映会&トークショーに参加してきました。

当日会場である東京ウィメンズプラザに着くと、参加人数の多さに驚きました。休日の昼間の上映会ということもあり、参加者は多くても50人程度なのではないかと考えていたのですが、会場には200人程度の参加者がおり、この問題への関心の高さに驚きました。

 上映が終わるとあらかじめ渡されていた質問用紙を提出し、休憩を挟んだのち、主催者であるPeople Tree 代表のサフィアミニーさんと、雑誌「装苑」編集長の児島幹規さんのトークショーがありました。トークショーのテーマは「ファッションにおける顔の見えるものづくり」というもので、ご自身のファストファッションに対する考えや活動など様々な話題に広がりました。その際、会場から集めていた質問をとりあげる時間があり、なかでも「私は何をするべきなのか?」という質問が非常に多かったそうです。映画を通してファッションに潜むあまりにも大きな問題を目にし、私自身も強くその疑問を感じていました。それに対してPeople Treeを代表とするフェアトレードブランドの商品を購入するなど様々な意見がありました。

IMG_4753.JPG上映後のトークショーの様子。参加者から集められた質問に対してそれぞれの思いを語ってくれました。
左:児島幹規さん、右:サフィアミニーさん

中でも特に印象的だった意見が

「1人が100のことをやるのではなく、100人が1のことをやる」 

という言葉でした。
ファッションという分野はあまりにも大きく、私たちは依存しすぎているため、一人が大きな力を発揮しても変えることは難しいかと思います。ですが、多くの人が少しずつ取り組んでいくことで輪が広がり、ちょっとずつ前に進むかもしれません。児島さんはそのことについて「全身フェアトレード商品を着るのではなく、自分のできる範囲で取り組めばいい」とおっしゃっていました。フェアトレード商品は正直あまり安いとは言えず、気軽に買えるものではありませんし、何よりも自分自身が楽しめなければ持続的に取り組むことができません。むしろ、問題に対して『〜すべき』と考えるのではなく、いま持っているものを長く使い続けたり、ものづくりの背景に少し目を向けてみるというような、いま自分が『できる』ことから取り組んでみることが重要なのではないでしょうか。

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カテゴリー: やぎちゃん 越境レポート

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