週末に渋谷のfabcafeで開催された「Table to Farm / Farm to Table #02」というイベントに参加してきた。「Table to Farm / Farm to Table」は農地から私たちの食卓までのプロセスを学びながら「都市と農地の新しい関係」を探求するワークショップイベント。3月に第1回目が開催され、参加した今回が第2回目である。第2回目の「Table to Farm / Farm to Table #2」のテーマは「米」、稲作に関わる様々なゲストトークやワークショップが行われた。
現在、日本の農業は高齢化や後継ぎ不足など深刻な問題がある一方で、日々の私たちの食卓では農業の問題を身近に感じることが難しい。「Table to Farm / Farm to Table #02」通して、これからの日本の農業の関わり方を考えてみる。
(「食」に関心がある学生や社会人の方が多く集まっていた)
今回のゲストは千葉県の米農家とともに水田センサーネットワークを開発する「techrice」のチームや愛知県農業試験場で稲作研究をしている池田さん、自動車部品の技術で農業を支えるデンソーさんだ。ゲストの3人はそれぞれ規模やスタンスが違う中で、農業への問題意識や活動内容についてお話しが聞けた。中でも、印象的だったのが水田センサーネットワークを開発する「techrice」のお話しだ。「techrice」は高齢化が進む農家さんや日本の里山の風景を守るため、Webを駆使して農家さんのサポートをしているプロジェクトだ。主な内容は水田に取り付けた無線センサーで水田の水位や温度などを読み取り、クラウドサービスを介して農家さんに水田のデータを通知する仕組みとなっている。このことによって、水の管理が難しい棚田のような水田でも管理がしやすくなり、里山を切り崩さずに済み、高齢化が進む農家さんにとっても負担の減少につながる。
「techrice」について話してくれたデンマーク人のハルさんは「じぶんたちのプロジェクトは営利目的でやっているわけではない」と語る。ハルさんにとってこの「techrice」はHobby(趣味)として位置付けていた。私が重要と感じたことはハルさんの話を聞いた他のゲストのデンソーさんや池田さんが共感し、他の地域における農業実態の情報交換や意見が交わされたことだった。ビジネスとして立ち位置ではなく、日本の農業を変えるために手を取り合う姿を目の当たりした。
(山角やのワークショップでは二人一組となって互いのおむすびを握った。具材が美味しかった!)
最後に「Table to Farm / Farm to Table #02」に参加して感じることは日本の農業を取り巻く環境が変わりつつあること。以前は、農業に関わるひとは農家さんだけだったが、高齢化や後継ぎ不足といった社会の変化から農家さんだけでなく、行政、企業や個人といった農家さんとのネットワークがつながり始めている。そして、これからは行政、企業、個人といったセクターを超えてつながることがさらに重要だと考える。民間企業で手が出せないところ個人の活動が補ったり、共に活動することによって日本の農業のあり方も変わるかもしれない。これからは農家さんひとりではなく、様々なひとが関わって美味しい農作物を作るのが当たり前になっていくのだと私は思う。
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