MELC(長岡ゼミ)のブログ

いま「FACTORY」からうまれるモノ

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11月に京都で、12月は東京で同志社女子大学上田ゼミのgirlsMediaBandに出会った。girlsMediaBandは代々続いており、現在の4年生が4代目となるgirlsMediaBand 4thだ。そんなgirlsMediaBand 4thのラストプロジェクトが東京で行われた。ラストプロジェクトは「PLAYFUL FACTORY-Joint Happiness-」というWS企画だ。普段、girlsMediaBandの行うWS企画は「Party]や「Live」といった音楽やダンスが連想させられることばが入っている。だが、今回の企画名では音楽やダンスに似つかわしくない「FACTORY」ということばが入っていた。「FACTORY」とはもちろん「工場」という意味だが、経営学部に所属している私がまず連想したのは多くの人が作業して大量生産する工場だ。大量生産する工場では指示された業務だけ効率良くこなす労働が行われるものだが、girlsMediaBandは企画するWSは主体的な学びである。すると、girlsMediaBandが考える「FACTORY」と私のイメージは違ってくると思い、実際に当日の企画に参加してきた。

FullSizeRender 14.jpg(はじめに渡された工場の入管許可書の裏面)

受付を済ませると、「PLAYFUL FACTORY」ということもありオリジナルの工場入管許可書が渡された。最初に案内された部屋はgirlsMediaBandが普段ゼミ活動している教室の雰囲気に似せて、girlsMediaBandが使っているものが展示された部屋だった。会場の関係で内装が分かる写真はあげられないのだが、ショールームのように書き込まれた模造紙やレゴなどがかっこよく配置され、一つひとつが作品のように見えた。その後、案内されたWSの会場は奥行きのある広々とした空間に、プロジェクターとスクリーン壁があり、その壁の前に参加者の椅子が整列していた。参加者全員が椅子に座るとRPGゲームのような映像が始まった。しばらくRPGのPVが映し出されたあと、PVからゲームのSTARTの画面に切り替わる。画面にはゲームをSTARTされるために参加者へ椅子を後ろまで下げるよう指示がいきなり映し出された。それまで傍聴者のように座ってた参加者はいきなり椅子を下げるという指示を見て、一瞬頭の中が停止した。そして、少し戸惑いながらも参加者全員で椅子を下げた。だが、この不意打ちによって参加者の意識がリセットされて、何が始まるだろうというワクワク感に切り替わった。こういった動きのある、細かい場のデザインに毎回驚かされる。椅子を下げおわるとRPGゲームが始まり、girlsMediaBand 4thのメンバーがステージに現れた。ゲームを進めていきながら、カップを使ってリズムを奏でる「Cups」や即興でストーリーをつくるインプロといったワークなどが行われた。どれもplayfulな内容であり、最後は参加者自身が感じた学びの楽しさについて風船に書いて飛ばしあった。
普段のgirlsMediaBandの企画ではWSが終わったあと、リフレクションムービーを観て解散する流れが多い。だが、今回のWSではgirlsMediaBand 4thと参加者と一緒に振り返りをする時間が設けれていた。私が他で参加したWSでの振り返りは用意されたテーマや参加者が学んだことについてもの多い。だが、今回のgirlsMediaBand4thとのWSの振り返りではワークそのもののデザインや意味づけについてものだった。実際に振り返りをやっている最中、ただ参加者としてではなくgirlsMediaBand 4thとともに議論して試行錯誤している感覚になっていた。この感覚は、11月にgirlsMediaBandが企画した「girlsMediaBand 1dayINTERN(参照:以前書いたブログ)」で普段のゼミ活動を一緒に行ったときの感覚と似ていた。

FullSizeRender 11.jpg(実際に行ったワークについて振り返りで書き込んでいる) 

振り返りが終わり、最初に案内された部屋に集まった。参加者やgirlsMediaBand交えて談笑したあと、girlsMediaBand 4thや上田先生から今回のラストプロジェクトについてお話があった。話の中で「FACTORY」について自動車のフォードとアンディー・ウォーホルの例をあげていた。フォードの「FACTORY」は私がはじめに持った印象の大量生産であり、アンディー・ウォーホルの「FACTORY」はシルクスクリーンや映画などの一点物の作品を生産するものだ。girlsMediaBand 4thのラストプロジェクトである「PLAYFUL FACTORY-Joint Happiness-」はアンディー・ウォーホルの「FACTORY」のイメージだったという。アンディー・ウォーホルの「FACTORY」はミュージシャンやダンサーなど多様なひとが集まるアートスタジオであり、多くの作品が生まれ、発信した。はじめに渡された入管許可書の裏面には「この工場内で見たもの、体験したものは、あなたが他の人に引き継いでいかなければなりません」という一文が書かれている。つまり、参加者は制作者の一人としてgirlsMediaBandと共に企画あるいは作品を作り、その過程で得た学びを外に発信するのだ。
これまで「Party」や「Live」があり、そして今回は「FACTORY」と来た。常にgirlsMediaBandの活動に魅了されるが、私たちが1番魅了されるのは学びがクールであることだと私は思う。アンディー・ウォーホルの「FACTORY」がアートやカルチャーの最先端であったように、girlsMediaBand 4thの「FACTORY」は学びの最先端になっていくのかもしれない。

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カテゴリー: テンパる 越境レポート

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