MELC(長岡ゼミ)のブログ

商品自体と商品が持つ背景に共感した消費

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10/24,25と代々木公園で開催されたearth gardenに行ってきた。すでにゼミ生の栗野がこのイベントについてのブログを書いているが( http://www.tnlab.net/melcblog/2015/10/151026.html )自分もこの場で感じたことを書こうと思う。
このイベントは二日に渡って行われ「オーガニック&エコロジカルなライフスタイルがより身近なものになるように。自然と人との共生の意識が、より毎日の暮らしに根付くように。」というコンセプトのもと運営されていたイベントだった。コンセプトをなんとなく理解しつつも、具体的にどんなことが行われているかよくわからなかったので、まずは会場全体を歩き回ってみた。コンセプトからは想像できなかったが、東南アジア系の食事や一見アジアの民族衣装にも見える服が売られていたり、布地にカラフルな刺繍でお店が装飾されていたりと会場のいたるところでアジアンな雰囲気を非常に強く感じた。出店されているお店で売られているものは服やアクセサリーが多く、また商品もお店のデザインも手作り感があり、お店ごとに違った雰囲気を持っていた。他にも廃材を使った工作が無料で楽しめたり、特設ステージで音楽ライブが行われていたりと秋のお祭りといった雰囲気に包まれていた。

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木製のアクセサリーを売るお店

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廃材を使った工作スペース。主に小学生くらいの子供が参加していた。

ここまであまり「エコ」を感じることができなかったが、インフォメーションカウンターで配られていた地図に目を通すと、エコや環境保全を意識した様々なジャンルのお店が出店されているらしいことに気づいた。最近フェアトレードということばをよく耳にするものの、フェアトレード商品を意識して見たり触ったりしたことがなかったのでライフスタイルマーケットのお店に足を運んでみた。

『フェアトレードとは直訳すると「公平な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国や生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。』(FAIRTRADE JAPANのwebサイト http://www.fairtrade-jp.org/ にある記事を引用)

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そこで出会ったのがこのお店。こちらも手作り感が漂うきれいな商品が台の上に並べられていた。

 パンフレット上ではこのお店はフェアトレードの商品を取り扱っているということになっていたが、ブースを見渡してもどこにもフェアトレードの文字は見当たらなかった。そこで商品を見ながら店主の遠藤さんという方に「この商品はフェアトレード商品なのですか?」というぶしつけな質問をすると「はい、ですがフェアトレードとはあえて表記しないようにしているんです」と話してくれた。理由を聞くとフェアトレードのマークをつけ、それをアピールすることで儲けようとしている人たちもいるからということだった。なるほどなと思った。加えて遠藤さんは「フェアトレードだからという理由で買うのではなくて、商品を気に入ってもらった上で買ってもらいたいんです」と話していた。

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店主の遠藤昭一さん

「デザインはさておき、フェアトレードの商品だから買う」という考え方は自分も好きではない。自分の好みを殺してまで消費することがいいとは思えないからだ。その思いがあったので遠藤さんの話にはすごく共感することができた。改めて台に並べてある商品の背景について尋ねると、デザインは遠藤さんがして、製作はネパールに住む人々が遠藤さんの技術指導のもと行っているようだ。また、染織に使われる染料も現地でとれるものを使用しているようだ。フェアトレードの要素も持ちつつ、製作するにあたって化学染料を使わずに現地の染料を使うといった地球に優しい作り方にもこだわっているそうだ。
「カードをいっぱい入れても問題ないように、少し厚めに設計しているんです」と語りながら台に並べてある財布を見せてくれた。フェアトレードや地球に優しいといった背景に賛同しつつも、肌触りや財布の色(他に白やカーキ色もあった)、機能性も気に入ったので購入することにした。ちょうど最近『ヒップな生活革命』(朝日出版社)という本を読んだが、大量生産されたモノをデザインや価格だけに惹かれて消費するのではなく、商品が目の前に並べられるまでの背景と商品自体の両方に満足した上で消費をするということ、またこれから先ふと財布を見たときに遠藤さんとの会話や、財布の背景を思い起こすことができることは素敵なことだと思う。街にあふれている百貨店では経験することができない消費を経験した。

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カテゴリー: けんちゃん 越境レポート

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