2015年4月からNPO法人カタリバの新規事業として行われているb-labに私は第1期学生スタッフとして関わっている。
b-labは文京区に在住、もしくは通学している中高生が利用できる「いつでも、なんでもできる中高生の秘密基地」というテーマをもったとてもユニークな場だ。b-labには、キッチン、大ホール、音楽スタジオ、 バスケットコート、卓球場など様々な施設を備えており、様々なニーズに応えることができる。
そんなb-labでは8月9日(日)に「初めて講座:卓球編」というイベントが開催された。
このイベントは卓球社会人チームに在籍している青木さんをお呼びし、初心者から経験者まで卓球のコツを教えてもらい、みんなで上達しよう!という企画だ。
参加者は10人ほどで、初めまして同士の子達も多く、無言でラリーを続けている台や、友達同士で楽しそうにやっている台もあり、部活動に入っている人同士の台では周りが見入ってしまうほどハイレベルなラリーをしている台など様々だった。
少し体を動かしたところで今度はサーブ、フォアハンド、バックハンドを教えてもらい、一通り講座の内容を終えると、最後に教えてもらったことを踏まえてトーナメント戦をすることになった。トーナメント戦では最終的に卓球のクラブチームに所属している中学生、講師の青木さん、そして私を含む職員二人が残り、結局青木さんが優勝するという「初めて講座」らしくない結果となった。
イベント終了後も卓球場には参加者が残って試合などをし続けていた。 すると、
「おにーさん、もっかい試合しようぜ!今度は負けないから!」とトーナメントで試合をした高校生が声をかけてくれ、勝って負けてを繰り返しているといつの間にか5時間が経過しており、さすがにみんなくたびれてしまった。
そして最後に
「やぎちゃん(私の呼称)、b-labにはいついるの??教えてよ。また今度くるからさ!」
と言われ、少しやりとりをしてから解散となった。
卓球をしている最中は真剣になりすぎてしまうこともあり、あまり自分の身の回りの話よりも冗談やふざけた話しが多く、私も相手もあまり個人の情報を知らない。知っていても出身や年齢程度のこともよくある。それにもかかわらず上記のやりとりはb-labスタッフとして参加してから何度もある。
それはおそらくお互いが本気で卓球にのめり込んでいるからなのではないかと思っている。
今回の卓球講座ではないが、以前一緒に卓球をした高校生に
「やぎちゃんは他の職員とかと違って、勝つまで諦めないからなぁ(笑)」 と言われたことがある。
私は相手が中学生であっても高校生であっても基本的に手を抜くことがあまりなく、経験者など強い相手だと自分が勝つまで何時間もやり続けてしまうことがある。
言ってしまえば遊んであげるのではなく、”遊んでもらっている感覚”なのだが、それが中高生たちにとってはとても真剣な姿勢に写っているのではないだろうか。
言葉をあまり交わさなくとも「お互いにまた会いたい」と思える信頼関係を築くことができる。
その際、何よりも大事なことは「お互いの本気の姿勢」なのだということを感じる体験だった。
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