梅雨に入り、雨の日が続く中でめずらしく快晴で清々しい朝だ。今回は朝の六本木で行われたHills Breakfastに参加した。会場は49階で行われ、東京タワーなど都内を一望できる。参加者は出勤前の社会人方が多く見られ、学生はたまたま会った同じゼミ生のサラさんしか見られなかった。始まる前に隣の社会人の方と話していると自分と同じ初参加で友達の紹介で知ったという方もいれば、今回で10回目の参加という方ももいた。ゲストスピーカーはそれぞれジャンルや活動が違う5人、プレゼン方法はゼミで行っているPechaKuchaだ。朝から刺激的なゲストのプレゼンは朝の眠気を吹っ飛ばした。中でも今回印象的なゲストスピーカーが和える代表の矢島里佳さんのプレゼン。
(清々しい朝の中、東京を一望できる場所には多くの社会人がいた)
和えるは0~6歳のブランドであり、日本の職人さんの高い技術で生まれるモノを届けている。矢島さんのプレゼンでは学生時代に起業するにいたった経緯や和えるが届ける商品を紹介していた。和えるの届ける商品のひとつとして「こぼしにくい器」がある。器の内側に返しが付いているため具材がスプーンや箸ですくいやすくいデザインになっている。また、この「こぼしにくい器」によって、0~3歳のこどもたちが親が食べさせてもらうよりも自分で食べようするようになったという。矢島さんは和えるが届ける器たちを47都道府県の様々な焼きの技術で職人さんと一緒に生み出そうと考えているということだ。日本の伝統を伝えるために和えるが0~6歳のこどものブランドにしたのはこどもが産まれながらにモノの本質を肌感じるからだと矢島さんはお話しされた。そして、こどもたちの感性や価値観を豊かに育むために日本の職人さんが生み出すホンモノを届けることにつなげている。こどもにいいモノを与えて、日本のモノを考えることが和えるが伝統を伝えること。
(愛媛県の砥部焼のこぼしにくい器 写真は和えるより)
イベントが終わったあと、矢島さんとお話しした際に社会に伝えることの本質として経済資本と文化資本ついて話が印象的だった。その内容は今まで日本の職人の技術や作品である文化資本が存在したことで経済資本が発展して、経済資本が文化資本に投資することで文化資本も発展する循環関係があったが、今は経済資本だけが発展して、文化資本は縮小する偏った関係だ。そのためにも、これから文化資本に投資して、もう一度共に成長する循環関係を築くことが本当の豊かさであり、本当の豊かさを追求する感性をこどもたちに伝えたいという内容だ。まさにサスティナブルな伝統のあり方だと感じた。感性にうったえかけるにはホンモノを肌や目で感じて、本質を理解することが大切であり、大人になってもその感性がより良いモノへの探求・投資につながると考える。矢島さんは日本の伝統やホンモノを伝えながら、本当の豊かさを追求する感性を育んでいる。このHills Breakfastで、改めて自分はこどものどんな感性をこれから育みたいかを深める日になった。
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