長岡ゼミに入りもう1年以上が経ちました。入ゼミした当初は分からない言葉や概念があり、自分自身の中に落とし込んでいくにはかなり時間がかかったことだと思っています。
昨年は”まちづくり”をメインに越境活動を行ってきましたが、1年間を通してわかったことがあります。「僕が道路整備や箱物を作ることは出来ない」ということです。
昨年はハード面について勉強することが多かったのですが、この考えは僕の頭がまだまだハードだったのかもしれないですね。
様々なまちづくりの本を読んで読んでいくと、共通していることも分かってきました。「まちを作っているのは人である」。ということです。
だから、現在はワークショップに興味を持っている。人と人とが会話をすることで新しい発見が得られたり、違う視点をもったりすることが出来ること、また参加者の変化であったり、セッションデザインなど、ワークショップ全体を通して最終的には、まちづくりや地域に繋がっていくと思うからです。
ワークショップを自分で企画して行ったのは過去に4回。いづれも進行は自分自身で行ったけれど、セッションや企画の部分といった背景的な所には沢山の人の協力があって今に至っています。
徐々に企画することには慣れては来ていると思いますが、参加者にとっても僕にとっても意味のあるワークショップを今後もデザインしていきたいと思います。
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そのために必要なのは「みる」ことです。
ワークショップで言うならば、ただファシリテーションをするだけでなく、参加者の意見を”みる”意識が大事だと思っています。
この意識は練習するしかないと思っています。だから、日常の場面でも「みる」ことを意識するために、今回は僕の趣味である”鉄道”から「みる」姿勢をフィールドワークを通して実践してきました。
今回注目したのは「鉄道に関わる黄色」です。全体を「みる」ことと注目したことを「みる」という2つを意識するのは非常に頭を使うことでした。
出発地点は池袋駅。「鉄道に関わる黄色」を探すため、長年の鉄道感覚を意識して大井町に向かうことにしました。
山手線、京浜東北線を乗り継ぎ、最初に見つけた「鉄道に関わる黄色」はホームの点字ブロックです。
普段は何気なく歩いているホームの中に、僕たち利用者の安全のために設置されているもので、鉄道の中ではトップに値するくらい普段から目にしている黄色ではないでしょうか。
最近ではホームドアの設置が多くの鉄道会社で行われていますが(このホームにはホームドアが設置されていませんでした。)、まずは私たち利用者自身が「足元黄色い点字ブロック」から状況を判断し、みていく姿勢が大切なのではないかなと改めて実感しました。
次に見つけたのは注意表示みたいな標識です。
普段あまり僕たち利用者が意識することはないのですが、運転士目線になってみると、こんなところにも黄色が潜んでいました。
僕たち利用者にはあまり意味が分からないけれど、きっとこれも鉄道の運行を安全に行うための1つの標識。
多くの利用者は目につかない1番前にありました。普段は景色の一部としてみているものでも、注意を払ってみることで新しく、新鮮なものに見えてきました。
京浜東北線の大井町駅で下車をして、大井町にはおもしろいものがあると昔聞いたことがあったので、約1時間30分ほど黄色いモノに注目しながら歩いていきました。
感覚と音と雰囲気を頼りに、大井ふ頭の方面へと足を進めていきました。
すると、新幹線の車両基地が見えてきました。(おもしろいものはこれか!と納得した瞬間でした。)
鉄道に関わる黄色を探していたので、3枚目はこの車両基地から発見したいと思い、大きな車両基地を約1周しました。
この場所は地図で観察すると、何もない場所のように表示されていますが、Google Earthで見てみると、衛星の写真ではありますが新幹線の車両基地を確認することが出来ます。
みなとが丘ふ頭公園を曲がり、陸橋を渡っていると、車両基地を大きく見渡すことが出来ました。
直接車両基地内に入ることは出来なかったので、陸橋からみることと地図からみることの2つの目から「鉄道に関わる黄色」を探しました。
見つけました。黄色い新幹線。普段僕たちは乗ることが出来ない車両のようですね。
気になったのでいろいろと調べてみましたが、愛称はドクターイエローと言って、実際に線路を走りながら点検する車両のようです。
世界に誇れる日本の乗り物としても、海外に輸出される新幹線技術の裏側には支える人であったり、車両であったりと多くの人やモノ、コトが関わっているのだなと再確認しました。
今回は3枚の写真を撮って自分の趣味からフィールドワークを行い、意識して「みる」ということを行いました。
黄色と言ったら注意のようなイメージでしたが、この3枚の写真が物語っているように、注意から安全につなげるといったことが見えてきました。
普段は何気なく使っている鉄道には、細かな所が沢山あり、多くの人の手によって鉄道が運行されていることを実感しました。
全体を「みる」中で、意識したものを「みる」。似ている「みる」といった動作でも一度に2つを意識するのは難しいもので、ワークショップでの参加者の発言や意見に耳を傾けたり、みたり、実感することで、新しいアイデアやモノが生まれていくと感じています。
また、新しい気付きは参加者に教えられるときの方が多く、僕自身もワークショップデザインだけでなく、自ら参加して「みる」姿勢を意識したいと思います。
実践と試行錯誤の繰り返しが、「みる」目の向上やワークショップデザインにも生かせること、また、この「みる」という意識は地方に行ったときにも意識し、よそ者という立場から新しい発見につながると思います。
今回は僕の趣味の1つである「鉄道に関わる黄色」でしたが、普段の生活の中でも何かを意識して「みる」ことをすると、同じような景色の中に新しい発見があるのかもしれません。
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