5月17日に神奈川県藤沢市にある食とものづくりスタジオFERMENTに行ってきた。最近、食に関する活動や食に興味のある人が私の周囲には多い、と感じていたことから何か食に関する活動をしている場に行きたい、と考えていた。そんな中でたまたま大学時代に食に興味を持って活動をされていたmelcの卒業生である中江真子さんとお会いする機会があった。中江さんとお会いしたときに「何か食に関することでおもしろい活動をしている人や場所は知りませんか?」とお訪ねしたところ食とものづくりスタジオFERMENTを紹介してくれた。そして早速行ってみることにした。
私は事前にFERMENTとはいったいどのようなところなのだろう、と思いホームページを確認してから行った。ホームページをぱっと見る限りだとどうやらレーザーカッターや3Dプリンタの利用ができる場らしい、ということがわかった。続いてワークショップが土日を中心に開催されていることを知り、私は17日に開催予定だった「フードデザイナーに教わるサンドイッチレシピ作り講座 モコメシの著書『大人もサンドイッチ』関連イベント」に参加をすることに決めた。
タイトル通り、モコメシさんというフードデザイナーの方のファシリテーションによるサンドイッチレシピ作りのワークショップで、最終的には自分で考えたレシピのサンドイッチを実際に作ってみる、というものだった。参加者は15人前後。参加者は4つのテーブルに分かれて座った。まず最初にモコメシさんがサンドイッチレシピの具体例やレシピを作るときのポイントをお話してくださった。モコメシさんのお話を聞く前までの私のサンドイッチのイメージと言えば、コンビニで売られているようなレタスやハム、たまご、ツナなどが入ったサンドイッチ、あとは駅やデパ地下でショーケースに入って売られているような多種多彩なサンドイッチ、例えば野菜やハムだけでなくメンチカツやフルーツと生クリームが入ったようなサンドイッチであった。しかしここでモコメシさんがお話されたサンドイッチのレシピは挟む食材の甘味、酸味、塩味、苦味、辛味を意識して作られたものであり、食材にこれは甘味の食材、酸味の食材といったように分けた上でそれぞれの味がまんべんなくサンドイッチの中に入っているようなレシピであった。また食材の切り方による食感の違いについて「例えばハムでも薄切りのハムと角切りのハムでは食感が全く違いますよね」とモコメシさんはおっしゃった。さらに同じ味がずっと続かないように所々にアクセントのある食材を入れることによってリズムをつけることもポイントである、ということも続けておっしゃった。パンの特徴についても食パンだと薄切りの食材を挟むのに適しているし切ったときの断面を利用した表現ができる、といった特徴を挙げており、バケットだと角切りの食材を挟んでも途中でボロボロ食材が落ちることがほとんどないため角切りの食材をを挟むのに適している、といった特徴を挙げていた。
モコメシさんのお話を聞いたあと、さっそく私たち参加者はレシピ作りに取りかかることに。先に紙にレシピを書いてしまってから食材を選んでも食材を選んでから紙にレシピを書いてもどちらでもよかったので私は最初に食材選びをすることにした。
▲この日の食材たち。種類が豊富で食材選びに迷った。
▲最初に私が選んだ食材たち。まず私の好きな食材を選び、試食をしながらレシピ作りをすることにした。
甘味や酸味などといったことを意識しながらサンドイッチ作りをしたことがなかったため、どんな食材とどんな食材、もしくは調味料が合うのかがほとんどわからない状況の中での食材選び。そのためとにかく試行錯誤をしながらサンドイッチのレシピを考えた。おそらく他の参加者の方々も先に食材選びをしてから紙にレシピを記入していたと思う。このとき限られた時間の中でいかにおいしい、そして食感も見た目も楽しめるサンドイッチを作ることができるか、といったことだけを真剣に考えながらレシピ作りに没頭していた。もっとこんな味にしたい、けれど何を足したらいいのか、逆に引いたらいいのかがわからない、それならばやってみて食べてみるしかない、といったことの繰り返しで正にやってみなければわからない、といった状況だった。
あっという間にレシピとサンドイッチを完成させなければいけない時間が来た。そして同じテーブルに座った人たち同士で自分が考えたサンドイッチのレシピの発表、そして試食を行なった。どのサンドイッチにもそのレシピを考えた人の思いが味や食感や見た目にしっかりと表れているな、と私は感じた。
▲私と一緒のテーブルに座った人たちが作ったサンドイッチ。ちなみに私は一番奥の食パンを使ったサンドイッチを作った。
食は誰にとってもとても重要なものであると考える。しかし食の持つ力は栄養補給だけではないことを”食とものづくりスタジオFERMENT”で強く感じた。やはりせっかく食べるのならばおいしいものがいい。さらに言うなら見た目や食感からも何かを感じ取れるのがベストであると思う。栄養補給だけではなく、食べることによってワクワク感や笑顔が生まれるのであれば、それはとても素敵なことだと思う。また自分を表現する手段としての食の可能性についても”食とものづくりスタジオFERMENT”で感じることができた。自分の思いを味で表現できるのは食ならではできることなのではないか。もちろん味だけでなく見た目で表現をできるのも食の持つ可能性の一つであると思う。
最後になりましたがFERMENTのみなさん、モコメシさん本当にありがとうございました。
コメント