MELC(長岡ゼミ)のブログ

「エシカルファッション」はモノとのつながりをつくること

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5月10日(日)、世田谷ものづくり学校にて行われた「Ethical Fashion College」(以下:エシカルファッションカレッジ)に行ってきました。

校舎エシカルファッションカレッジ 002.JPGエシカルファッションとは、環境・社会に過度な負担を強いることのない生産方法で取り組まれたファッションのこと。「エシカルファッションカレッジ」は昨年スタートし、今年で2回目となるイベントです。「エシカル、持ちかえる」をテーマに、対話ワークショップやものづくり体験、エシカルの分野で活躍する講師による講義などのコンテンツで構成されています。さまざまな体験を通してエシカルファッションについて、「知る」「作る」「感じる」ことで、楽しみながら気づき、学ぶ、2日間です。Ethical Fashion CollegeのHP参照) 

昨年の様子は、ゼミ生の大城美空がブログを書いているのでそちらをご覧ください→「モノを買う、ことについて考える


イベント名にもある「エシカル」や「エシカルファッション」という言葉は今までに聞いたことがありました。ですが、「どこか遠くの国のコト」というイメージがあり、大切なことだけど自分ごとには考えづらいものでもありました。そこで、「実際、エシカルってどういうものだろう?」という問いを持ちながらイベントに足を運んでみました。

エシカルファッションカレッジ 014.JPGエシカルファッションカレッジ 041.JPG中には、エシカルファッションブランドやショップが集まった購買部もありました。そこでは、捨てられるはずだったiPhoneのケースでつくったアクセサリー、オーガニックコットンの洋服、貧困地域の女性がつくった刺繍バックなどが販売されていました。ディスプレイされているものを見て回っている中で、「EDAYA」というショップの方とお話をしました「EDAYA」は、“マイノリティーのエンパワーメント”をテーマにアジアの地方で、ロールモデルとなるような、 隠れた才能や資源を生かしたブランド構築を行っていきたいと活動しています。販売されていたのは竹でできたピアスなど。そのピアスは、フィリピンの北ルソンという地域が誇る竹楽器のひとつだそう。とても伝統的なものなのですが、現地でその楽器をつくれるのは現在3人しかいないらしく、昔から受け継がれていた伝統が廃れつつあります。そのことに問題意識をもちデザイナーがアクセサリーなどにリデザインしたのだそう。そして、日本などの海外へ発信し注目されることで、お金などを現地へと循環させているようです。

エシカルファッションカレッジ 027.JPGこの話を聞いて、「あ、日本と一緒だ」と思いました。日本でも、伝統工芸などを引き継ぐ担い手不足に困っている地域 があります。その昔ながらのものを現代風にアレンジして、地域おこしをしているところもあります。こうした問題は日本だけではなく、遠くの海外にも同じような状況のところはあり、近い問題なんだなとショップの方の話を聞いて感じました。

 

 

そしてある程度会場内を回った後に、「エシカル消費をはじめよう!」という講義を受けました。

エシカルファッションカレッジ 068.JPGこの講義は河野真理子さんという大和総研調査本部主席研究員で、企業の社会的責任・社会的責任投資・エシカル消費・ソーシャルビジネスなどを担当している方が講師としてお話してくださいました。内容は、現在の企業などでのエシカルの見られ方からはじまり、大量生産大量消費の歴史、そしてなぜ今エシカルなのかという話へ。「今は大量生産大量消費の社会が当たり前になっているけど、そんな社会の中でエシカル消費は自分がつくらなくても、自分の手に渡るものにつながりを持ちたいと思う人が増えているよう。昔は自給自足が当たり前で身の回りにあるものと当たり前につながりがあった。そいういったつながりを今も求めているようですね」と河野さんは仰っていました。確かに私自身も、知り合いがつくったものや自分で古着をリメイクしたもの、どんな人がどんな想いでつくったか分かるものをできるだけ使いたいなと思いっています。それが、「ものとつながりを持つこと」なのだと感じました。

 

 

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▲インドの女性がひとつひとつ刺繍をして、手編みでつくったものたち。

エシカルファッションカレッジ 038.JPG▲洋服のハギレでつくったアクセサリー。自分のいらなくなった服でも作れそう!

 

今回の「エシカルファッションカレッジ」を通して、エシカルファッションは「どこか遠くの国のコト」というイメージから「日本の地域と変わらない課題を持った人たちが関わっているモノ」また、「そのものを起点に他の人や環境、社会へと価値を広げるモノ」というイメージへと変わりました。そして、そうしたモノの先にいる人や想いを知り、ただ単に”消費”するのではなく、ちゃんと”選ぶ”ということが大切だなと思いました。なんでも簡単に買うことができる社会だからこそ、どんなものを自分は着たいのか、食べたいのか、使いたいのか。そうしたことを考えながら、無理のない範囲で”選ぶ”ことは、モノとのつながりを感じ、”買う””使う”という行為を楽しむことにつながると思います。そして、そんな日常は暮らしを楽しみ、豊かにすること。買う人だけでなく、つくる人の暮らしも豊かにする選択肢のひとつがエシカルというモノなのかもしれません。

 

カテゴリー: Sarah 越境レポート

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