5月3日(日)、Party Of the Future(POF)に行ってきた。POFとは同志社女子大学の上田先生とそのゼミ生であるgirls bandが主催するイベントだ。学生や教師、企業で働く社会人など多様な人が集まってランチをとり、話をしたり聞いたり、踊ったりする。今年のPOFのテーマは「This is it!…But the best is yet to come」だ。私は2日の前日準備から参加した。
POFでは参加者にミッションが与えられる。今年は「あなたにとってのThis is it!(これが究極だと思えるもの)をグループページに投稿する」「手作りのランチ一品持参」「当日は勝負服で参加」だ。私はEVEからの参加のため手作りランチは用意できなかったが、当日までにミッションについて考えることでPOFに参加する心構えができたと思う。
POFが行われるネオミュージアムに入ってまずは昼食をとった。ご飯を食べながらいろんな人と話してかなり緊張はほぐれた。京都や東京、新潟、北海道から来ている人もいて驚いた。ランチが終わると皆で踊ったり、girls bandがダンスを披露したりとリハーサルをして装飾などの準備に取り掛かった。私も参加者の人たちも踊って、キレのあるかっこいいダンスも見せてもらい、かなりテンションが上がっていたと思う。皆意欲的に取り組んだ。ある程度の道具が準備され、特に「こうしなくていけない」といった指定もなく自由に飾り付けができたため、私もマスキングテープで写真を張ったり、矢印をつくったりした。まさに皆でつくりあげるパーティだと感じた。
夜にはナイトセッションが行われた。全体を4つに分けてそこから二人ペアを作る。一つ目のワークはジェスチャーゲーム。出されたお題に対して二人でジェスチャーのみで仲間に伝える。答えたらジェスチャー役を次のペアと入れ替わる。一番伝えられた数が多いチームが優勝だ。お題は花火、バレンタイン、SMAPなど様々なものがあってとても盛り上がった。
続いて上田先生とHLABの小林亮介さんが主に海外で学んでいた時のことを話してくれた。海外で勉強するかは長い間悩んだけど結局友達に後押ししてもらったのがきっかけだったという話がとても強く残った。そのあとの交流会では神戸芸術工科大学の方たちが、お酒やつまみを準備してくださったおかげで楽しく話ができた。
2日目、昨日でも多いと感じた人の数はさらに増えて1か所に集まると満員電車のようだった。その中でも参加者の人たちは交流を楽しんでいた。まずはgirls bandによるダンスから始まり、参加者全員でランニングマンを踊った後プレゼンテーションへと続く。前述したように今回のテーマは‘YET’。大角さん、金谷さん、堺さんと一人一人違ったパフォーマンスや自分の活動からYETを語ってくれた。後半には上田先生、小林さん、専門学校でプログラミングを教えている元木さん、NPOミラツクで活動している真木さん、寺スクールの荒木さんのトークセッション。Girls bandによるthis is itとyetを表現するダンスを作るワーク。最後にはムービーが三本と風船が宙を舞う中、エンディングを迎えて終了した。
そこからは全員で後片付けをしてネオミュージアムを去る。とにかくいろいろな人とたくさん話すことができた。しかも話題も誰と話すかもすべて自由の中、素敵なランチや飲み物が用意され、カフェタイムの前にはプレゼンターによる話題提供というと少し違うかもしれないが、会話を促進させるように準備されていた。とても居心地がよく、自然と会話が弾んだ。
私にとって最も印象的だった出来事は1日目の夕食の後片付けだった。夕食の時間が終わりに差し迫ったころ、翌日に向けたワークと交流会の準備のため、girls bandが先に退出して席がぽつぽつと空いた。隣のテーブルも人が減ったので私たちのテーブルにいた人は隣に移った。そこには上田先生がいて一人の女性に小声で「仲井さんを泣かせてほしい」と話しかけていた。仲井さんは3人しかいないにも関わらず50人以上の料理を並べて準備してくれた。そこで私たちでお皿を整理して仲井さんを喜ばせる何かをし、感動させようというのだ。次の予定も考えると時間の猶予は5分ほどしかない。それまでに仲井さんを感動させる手段を皆で考えて実行しなくてはならない。いきなりのことだったがその女性はすぐに上田先生の案を引き受け、片づけをする人と感動させる方法を考える人に分かれて行動した。他の参加者も動きが早く、5分後には片づけを終えて、部屋の前においたスリッパをハート形に整え、皆で2列に並び仲井さんが通る花道をつくっていた。仲井さんが入ってくると全員で拍手をし、道を通り終わって感謝の言葉を伝える。girls bandからは仲井さんの名前とありがとうのメッセージをかいた紙をプレゼント。仲井さんたちはとても喜んでくれた。
私はこの出来事をPOFのイベントや参加者の象徴だったのではないかと思う。わずか5分の時間にほぼノープランで案を出した上田先生。提案を受けた女性はその瞬間にアイディアが浮かんだわけではなかっただろう。しかし短い時間でもみんなで考えればできると考えて引き受けた。そして参加者全員がすぐに動いた。
POFの中では上田先生の無茶ぶりとも思える振りがいくつもあったが、誰も「無理です」とは言わない。たとえはっきりとしたイメージがなくてもとにかくやってみる。やりながら考える。決してやる前からできないとは考えない。これがYetの精神なのだと思う。いろんな人と話す中で上田先生がよく話す、たとえ自分一人ではできなくても、この人とならやれるという憧れの最近接領域も感じられた。どんなことにもチャレンジしてみようと思える、POFにはそんな雰囲気があった。
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