MELC(長岡ゼミ)のブログ

「投票ビギナーのための候補者の選び方」ーシティズンシップ教育で大切にしたいことー

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春を迎え長岡ゼミ4年生になりました、大城です!

先日4月19日に若者と政治を繋ぐNPO法人YouthCreateの学生チームの1人として「選挙が分かるワークショップ 候補者の選び方」を実施しました。

そこで今回のブログではイベントのレポートと、それに伴い興味を持ち始めたシティズンシップ教育についてお伝えしていきたいと思います!

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▼NPO法人YouthCreate とは (HP:http://youth-create.jp/)

 若者が日本や自分の住んでいる地域に関心を持ち、意見を言えるようになること。そしてその声が政治・行政の場に反映されるようになること。そしてそして、政治の話をする人が「政治ってかっこいい!」と思える社会になること。そんなことを目指しながら様々なイベントの企画や講演を行っている団体です。

私は昨年の5月から地方議員さんとお酒を片手にざっくばらんに会話する「Voters Bar」というイベントの企画のお手伝いを始めました。(Voters Barに参加してくれたゼミ生内海君のレポートはこちら→http://www.tnlab.net/melcblog/2014/10/141026.html )


▼活動を通して気になるようになったキーワードは2つ

活動開始から1年が経ちいくつかイベントを開催していくなかで、気になるようになったキーワードが2つあります。

1つが「地方政治」。メディアによく報道される”政治”に国会議員が多いためか、政治=国政だと思われがちです。

だからこそ「政治は自分に関係のない遠いこと」と思われてしまうのではないでしょうか?

しかし、自分たちの身近な部分に関係するいわば「まちづくり」を行っているのは地方政治。

けれども地方政治を知らない人が多いことから、一部の人の声でまちづくりが行われていたり、監視の目(住民の関心)がないためにそもそもきちんとまちづくりをしていない!なんて恐ろしい事態が起きていたりすることも…。

地方政治に関心を持った理由として、「考えてみると面白いから」もあるのですが「国民の1人として知る必要性があるから」ということがありました。


そこで、2つめのキーワードとして「シティズンシップ教育」が出てきます。

確かに「地方政治」という単語は公民の教科書で見たことがあります。2元代表制なんてワードも一緒に覚えたなぁ、なんて思い出したりもしました。

しかしその得た知識を活かして、地方政治に対して自分はどう関わっていくべきなのか、を考えることは日本の公教育においてほとんど行われていないのが実情です。

なのに20歳になると「選挙権」が与えられ、政治が何かも分からないままに、突如「選挙に行こうよ!」というキャンペーンに巻き込まれる。

めんどくさいから行かないという人や、とりあえず入れてみたけど何の意味があったのか分からないという人が出るのも納得です。

そのため私はその間を埋めるシティズンシップ教育のような企画を行いたいと考えるようになりました。


▼「選挙が分かるワークショップ 投票ビギナーのための候補者の選び方」の開催

そこで、4月12日・26日にある統一地方選挙に向けて、「誰に入れていいか分からないから投票に行かなかった」「今回が初めての選挙だがどうしていいか分からない」という人に対して、「選挙が分かるワークショップ 投票ビギナーのための候補者の選び方」を行うことを決定し、3カ月かけて地方政治の勉強からワークショップづくりまでを行いました。

イベントは中野区で未成年の方や、教育関係がお仕事の方、学生など普段あまり政治にかかわりがない20名弱の参加者と共に始まりました。

クイズやプレゼン資料をもとに、まずはレクチャータイムからスタートです。

「地方政治ってそもそもなに?」「選挙の時に沢山の候補者から1人を選ぶには?」

などをテーマに30分間プレゼンをさせてもらいました。

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地方議員はその地域のことを熟知したプロであること。その知識をベースに、個性と熱意のある政策を策定し、実現させること。

さらにその政策が自分がつくりたい街の未来に近いこと。以上を兼ね備えていそうな人を、大勢の候補者から1人を選ぶこと。


上記が理想ではありますが、なかなかその情報の得方も見方も分からない。

そこで、私たちがそこに対して私たちなりの1つの解を提示するようなプレゼン内容となりました。


▼「候補者の選び方」という知識を、自分なりに活用してもらうこと

その後は、参加者のみなさまには選挙期間真っ最中の仮想地域Y区の住人となってもらい、5名の候補者が出馬するY区区議会議員の模擬選挙に入ります。

直前の「候補者の選び方」のレクチャー内容を思い出してもらいながら、人柄や政策やのバラバラな5名から自分の未来を託す1人を選んでもらいました。

その後は「なぜその候補者を選んだのか?」という問いに対して、自分なりの答えをポストイットに書いてもらいグループでシェア。

「迷ったら女性に入れたい。」

「当選後の政治活動の結果がすぐ分かる規模の政策を立ててほしい。」

「政治家を目指した志望動機がハッキリとしていて最後までやり遂げてくれそう。」

逆になぜその候補者を選ばなかったのか、といった問いが加わり、たくさんの自分なりの候補者選びの際の基準(軸)が出てきて、わいわいと盛り上がり始めます。

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このとき、私は”政治”には似つかわしくない、どこか楽しげな雰囲気が流れはじめたのを感じました。


たぶん、それはサッカーゲームで監督である自分がチームの選手を選ぶ時のような。

お買い物中に数ある家具の中から自分の部屋に一番合いそうなものを選ぶときのような。

何かを自分でチョイスする、というのは物理的にも心理的にもコストのかかることではありますが、予めどういう風にしたいかを考えておくと、選びやすくなり楽しいものになったりするように。

今回のイベントではレクチャータイムで得た大きな考え方としての「候補者をみる視点」を、模擬選挙で自分の理想の街づくりバージョンとしてアレンジを加える過程を踏んだことで、選挙の前に予め「こんな候補者がいい!」を考えられていたからでしょうか。

選挙という候補者を「選ぶ」場で、自分の考えや他人の視点をシェアしあう場がとても盛り上がったように感じました。


▼政治は、勉強すればするほど楽しい!?

しかしこの場の反応は私にとって嬉しいことではありますが、予想外のことでもありました。

イベント前までレクチャータイムが長いことで「政治はやっぱり難しい」と思われてしまうのではないか、という危惧をしていたためです。

レクチャータイムをいかに短くするかを考えたり、飽きさせないために笑いを取りにいく作戦を練ったりしていました。

しかしもし地方政治についての説明や、選挙への臨み方を事前に考えることなく、なんとなく候補者を選んで模擬選挙に臨んでいたとしたら。

議論は決して深まらないし個人の想いもそこには乗り切れないのではないでしょうか。

選挙を機会に勉強すればするほど、政治や地域の事情が分かるようになり、「選ぶ」ことに意義を感じ、楽しく感じられるようになってくる。

「政治は勉強すればするだけ、楽しいのだ!」

そのことをレクチャータイム時の場のシリアスな空気に、実際に得た知識を使う模擬選挙を経ることでファンな空気が重なり、シリアス・ファンな場が生まれたことから感じました。


しかし、それは従来の沢山の知識をテストのためにインプットする教育手法では作り出すことは難しいでしょう。

聞き手に興味をもってもらうレクチャータイムでは、政治について”考える要素”を配り、その使い方を学ぶ新しい教育を行わなければならないのです。

そしてそういったシティズンシップ教育といわれる場においては、いかにうまく参加者がシリアス・ファンになれる場をデザインできるかが大切なポイントになってくるのではないでしょうか。

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本イベントの企画・運営を通して、私自身が政治について勉強するきっかけを頂いたと共に、シティズンシップ教育を今後日本の教育で前進させていかなければいけないと強く再認識することができました。

メンバーの皆さん、参加者のみなさん、本当にありがとうございました!

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カテゴリー: みくそん 越境レポート

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