「やりたいことをみつける×やりたいことをやってみる」
これはUnicul Laboratoryが実践している高校生のためのビジョン教育プログラム‘Queque’が目指しているところです。Unicul Laboratory(http://unicul-lab.net/)とは高校生たちの積み重ねてきた能力を活かすべき方法がわからないまま、無駄にしてしまっている「ハイスペック・ノービジョン」状態に問題を感じ、それを解消するために活動している団体です。
4月27日(月)、私は東京学芸大学付属高等学校で行われる‘Queque’の前段階におけるワークショップをすると聞き、当日スタッフとして参加してきました。 このワークショップは高校生たちの授業が一通り終わった放課後に行なわれ、内容はレゴで理想の高校生活を表現するものでした。高校生活でやってみたいこと、大切にしたいことを考えてもらう企画です。8人ほど来てくれて、入学してまだ1か月経っていない一年生の子もいました。私はすっかり忘れていましたがこの時期の高校一年生というと、まだ仮入部期間で部活は決まっていない、入学してからクラスでの役職などを決めて授業にはちょっとずつ慣れてきている状態です。
最初はウォーミングアップとしてレゴで家を作り、続いて高いものを作り、自分の好きな食べ物を作りました。普段レゴを使う機会はなかなかないようで、好きな食べ物をどうつくるか悩みながらもかなり熱中しているようでした。
ウォーミングアップが終わり、いよいよ理想の高校生活を考えていきます。まずは「理想の高校生活に必要な要素」をポストイットに書いていきます。迷う、悩む、挑戦する、研究テーマ、合唱、ヴァイオリン、バイト、恋愛、早弁などなど。ひとりひとり自分の高校生活を考えて欠かせないものを挙げていました。
要素を出し終わり、イメージをつくったところで今日のメインワーク、レゴで理想の高校生活を表現します。すぐにレゴを組み立て始める子もいれば、なかなか思いつかずに考えている子もいました。それでも時間までには全員がしっかりと作り終えていました。彼らのつくった作品はとても面白く、ある人は高校生活をダンジョンにたとえて、入るときは狭い道とそびえたつダンジョンで険しさを表し、出てくるときには両手を広げてスマイルで華やかな出口を作り、最後は笑って終われるような高校生活を表現しました。 また別の人は緑の壁を困難にたとえて、それを乗り越えると一つ上の青いレゴの段にあがり、また壁を越えると赤いレゴの段にいけるといった作品で一つ一つ目標を達成していくことを表していました。
今回のワークショップについて、参加してくれた一年生の子に聞いてみたところ、
「今までこんな緩い雰囲気でこれからの自分の生活について、皆で話し合うことはしたことがなかった。レゴを作ったり他の人と話したりする中で、これからしたいことが曖昧だったことがわかりました。レゴは単純にいじっているだけで楽しかったです。」と話してくれました。
これからのことを考えるのは進路相談のような真面目な場で行われ、お菓子を食べながら友人と楽しく話し合うような機会はあまり多くありません。しかし、こうした考える機会は受験や就活が近づいてきた時ではなく、もっと日常にあるべきことではないでしょうか。毎日でなくても自分の活動を振り返って、次に何がしたいかを考えることは大切だと感じました。そういった意味で今回のワークショップは真剣に、かつ楽しく考えることでこの先の高校生活を意識する良いきっかけになったと思います。
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