2/23~3/27までの約５週間、TOMODACHI SIIS Scholors(http://ileap.org/programs/japan/tomodachi)というプログラムに参加するため、シアトルに滞在していました。これは米国ＮＰＯ法人iLEAP(http://ileap.org/)によって実施されています。iLEAPはこのプログラムの中で、私たち次世代のソーシャルリーダーを育て送り出すことを目的としています。

この５週間のプログラムで行ったことは主に４つです。様々なゲストスピーカーによるリーダーシップやフェアトレードなどのセミナー、若者やＮＰＯに対しＩＴ教育を無償で行うマイクロソフト社や、ホームレスだった人や障害者を積極的に雇用し社会に送り出すレストラン・FARE STARTなどへの訪問・見学、そして５人１チームに分かれて体感的にリーダーシップを学ぶグループプロジェクト、iLEAPスタッフや各チームにひとりついてくれるメンターとの対話を通して行う自己内省でした。

このプログラムが行われたのがシアトルだったのには特別な理由があります。それは、企業・組織・レストランやカフェ・シアトルに暮らす人々が社会問題に対して積極的に取り組み、協力する文化があること。例えば、フェアトレードにより仕入れたカカオ豆のみを使用しチョコレートを販売するTheo CHocolate(https://www.theochocolate.com/)があったり、ソーシャルイノベーションを行う組織に対して積極的に寄付を行うStarbucks本社がありました。シアトルだからこそ多くのソーシャルビジネスができるのか、などと考えさせられることが多かったです。しかし同時に、どうやったら日本でもこのような文化を創り出すことができるのかを考える大きなきっかけとなりました。

私はこの５週間を通して大きな変化を得ることができました。それは自分の内側の変化です。このプログラムに参加する以前の私は、自分に自信がなく、周りの人・環境と自分を比べ、自身に負荷をかけていることが多くありました。しかし、シアトルで過ごす５週間は自分自身と正直に向き合う時間が多くあり、その中で心の変化がありました。というのは、毎朝行うCheck-inや、自分の人生を振り返るRiver、iLEAPスタッフによるWho I amを考えるDialogなどを通して、自分はどういう在り方をしたいのか、何に対して情熱をもっているのか、これからどういう世界をみたいと思うのかなどを深く考えることができたからです。自分の心と正直に向き合うことにより、自分をコーチングしてくれるもう一人の自分をつくりだせるようになりました。不安や焦りを感じるときには、なぜそう感じるのかなどと深堀してくれ、自分のチームでの役割が見えたくなったときには、自分を含めたチーム全体を俯瞰的に見て良いところをアドバイスしてくれる存在です。それは私に大きな自信を与え、自己肯定感をもてるようになりました。

また、グループプロジェクトを通して自身のPassion、Vision、Leadershipを明らかにすることができました。私たちのチームはUnleesh（http://www.unleesh.com/）という教育系アプリ制作のベンチャー企業とプロジェクトを行い、自分のPassionとTechnologyをどう結びつけるかというのを課題におき、アプリのプロトタイプをつくることをゴールに行っていました。この課題を考えるにあたって、自分は何に対して情熱を傾けたいか、どういう世界を描きたいかを深く考えました。そうする中で、私のPassionは、日本社会に多くのうつ病を抱えた人がいることだと気づき、それは自分の経験からきているということも分かりました。また同時に、ひとりひとりが自己肯定感を持てる社会をつくりたいと強く思いました。そして、５人でのチームワークを通して、私には共感的理解により、人と人を感情の部分でつなぐことが出来るリーダーシップがあると分かりました。

これらの大きな変化を得ることができたのは、常にOpen-mindをもちいつでも相談にのってくれたiLEAPスタッフのみなさん、優しさで溢れていたメンターのPatやプロジェクトパートナーのCole、そして、とても刺激的で深い信頼と友情をもつことができた２４人のメンバーに出会えたからだと思います。ここで受けたたくさんの恩を、返していきながら、ほかの人にも恩を送っていきたいと思います。