1月10(土)、「tokyo traffic in 世田谷」というイベントを世田谷区の祖師谷・成城地域にて行いました。
このイベントは、私がメンバーの一員であるCo☞nextという学生中心のチームで企画したものです。「地域はとても身近なものですが、身近だからこそ改めて考えたり知ったりする機会は少ないのではないか。もっと、日常的に地域のコトに目を向けるきっかけをつくりたい」と、今までに2回イベントを行いました。そして、今回が第3回目です。地域×〇〇の〇〇にさまざまなテーマをいれ、いろいろな視点から地域をみる機会をつくっています。今までに、「食」「子ども」というテーマでイベントを行いました。
第1回目である、地域×食のイベント詳細はコチラ
「tokyo traffic in 世田谷」では、コミュニティバスや小田急バスに乗ったり、住宅街や商店街を歩いたりして、コミュニティバスができたことによる暮らしの変化を体験。その後に、感じたことを対話しながらアウトプットしました。
-コミュニティバスとは
コミュニティバスは一般的に次のように定義された乗り合いバスです。
「既存のバスサービスだけではカバーしきれないニーズに対応する乗合バスです。そのサービス内容は必ずしもこれまでの乗合バスの考え方によらず、利用者の利便性を最大限考慮し、かつ多様化する需要に対応する新たなバスシステムです。同時に、福祉サービス、環境に与える影響の軽減を視野に入れたシステムでもあります。」(引用)
移動に”安心”を増やしたコミュニティバス
今回の参加者は9人。そのうち世田谷在住・在学が4人でした。また、交通というテーマに興味があって参加したと言う人も。
まず、2つのチームに分かれて、それぞれ祖師谷・成城地域を周りました。ルートは、成城にある神社に行ってから、祖師谷の商店街にあるカフェへ向かうというもの。
私たちのチームは、成城学園前駅から小田急バスに乗り、10分ほど歩いて神社に向かいました。バスに乗ると、40代ほどの女性が何人か乗っていましたが、空いていて私たちも座れる状況でした。5分ほど乗ると神社に近いバス停に着きました。そこから、住宅街の中を10分ほど歩いて神社へ。歩いていると、道の幅が狭く、車が行き来するときに危険だということが気になりました。また、同じチームの子は、街灯が少ないため、夜道は恐そうだと感じたようです。
そして、神社に着き、お参りをして(私は初詣。笑)、今度は5分ほど歩いたところにあるコミュニティバスのバス停へ。このコミュニティバスは、祖師谷・成城地域を循環する「せたがやくるりん」というバスです。神社に行くときと比べ、歩く距離が半分になりました。バスに乗ると、小さな子ども連れが数人と、あとは60、70代の方々が占めていて、満員でした。コミュニティバスは基本的に、以前からあった路線バスや電車から家が遠く、歩くのが大変だったお年寄りに利用されているようで、コミュニティバスができたことにより移動が便利になったことがうかがえました。同時に、子ども連れやお年寄りにとっては、特に危険が大きい車通りの多い道や夜の暗い道。ですが、家のより近くにコミュニティバスが通ることで便利になっただけでなく、以前より周辺住民の安心が増えたようです。
バスはコミュニケーションの場
コミュニティバスで祖師谷大蔵駅まで行った後は、歩いて駅前の商店街にあるカフェ「ジョルジュ」へ向かいました。そこで、もう1チームと合流し、ランチを食べた後に、それぞれのチームが感じた「どんな地域だったか」と「コミュニティバスによる変化」を発表しました。
私のチームは先ほど触れたことを発表。また、もう1つのチームは、コミュニティバス内で乗客同士や運転手へのあいさつなどの交流があったことを話していました。
その後、「よりよい地域や暮らしのためのこれからの交通のあり方」について、みんなが感じたり気づいたりしたことを共有しながら、チームで1つずつ出し合いました。 各チームから出たのは、「ご近所さんが集うタクシーのようなバス」と「交通に移動手段以外の付加価値をつける」でした。どちらも、バス内での日常的なコミュニケーションに触れていて、小さな地域を走るからこそ、ご近所同士の触れ合いの場やお年寄りの生存確認のツールにもなったらいいねという意見が。今までは、ただの移動手段としてしか見ていなかったバスなどの公共交通ですが、それが1つのコミュニケーションの場にもなりえるんだなと面白く思いました。
最後に1人ずつ、気づいたことを共有すると、やはり多く出たのはコミュニケーションやコミュニティという言葉。今まであまり考えたことのなかった「交通」に着目してみたことで、思いもしていなかった発見があったようです。
今回のイベントはこれで終わり。このイベントで地域×交通について考えたことで、帰り道などで地域をみる視点に変化が生まれればなと思いながら会は終わりました。
多種多様なテーマがあふれる地域だから面白い
今回の地域×交通というテーマで企画したイベントは、前2回の「食」と「子ども」というテーマのときよりも難しいと全体を通して感じました。「食」「子ども」というテーマはもともと個人的に興味があり、自分ごとに捉えやすいものでした。だから、企画する際にイメージしやすかったのですが、「交通」についてはほとんど考えたことがありませんでした。今回このテーマにしたのも、たまたま企画をしていた期間に観光列車であるいすみ鉄道の存在を知り、地域×交通というテーマも面白そうだなと思ったからです。そこで、小さい地域に根付いている交通であることと、メンバーの1人の家のそばを通っていることから、コミュニティバスに焦点を当ててみました。
ただ、交通に関しての知識はほぼゼロ。コミュニティバスについて調べることからはじめました。企画段階では、地域と交通の結びつきをどのように感じてもらおうかということに苦労しました。また、イベント当日も、私なりのテーマに対する答えがあまり確立されていない状態だったので、ファシリテートも難しかったです。勉強不足という反省もありますが、今までになかった気づきをいろいろと得ることもできました。そして、「交通」のように考えたことのなかったテーマを設定できるということは、それだけ地域というのは多種多様なモノ・コトで構成されているということ。多種多様なモノ・コトの中で、今まで自分ごとに考えていなかったことを考えるのは難しいです。ですが、実際考えてみると新たな発見がある。そんな地域の面白さを実感する機会となりました。
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