MELC(長岡ゼミ)のブログ

南相馬でカレーキャラバンに参加してきた。

| コメント()

寒さが一段と厳しくなってきた11月半ばの週末。カレーキャラバンに参加するため、福島県南相馬市へ行ってきた。カレーキャラバンとは慶応SFCの加藤先生、木村さんらによるプロジェクトである。 →http://curry-caravan.net/

このカレーキャラバンについて書かれた、「つながるカレー」という本がある。10月のゼミで行った読書会でこの本を読みコミュニケーションや場づくりについて考えたことから、次回開催時にはぜひ参加したいと思っていたので、話を聞いてすぐ福島まで足を運ぶことを決めた。 (教えてくれた村松さんありがとう。ちなみに村松さんの書いた読書会の記事→http://www.tnlab.net/melcblog/2014/10/141013-2.html )

 

前日に福島に入り、当日は福島駅から電車で向かった。県の沿岸部を走る路線には震災による影響から不通区間があり、代行バスなどを乗り継ぎなんとか最寄駅の原町駅に着いた。駅から歩いて15分ほどの場所に、90年続く映画館「朝日座」があった。

DSC_1210.jpg

この週末はここで「うまま祭り」が開かれ様々な企画があり、カレーキャラバンもそのひとつだった。朝日座の外には屋台が出て、隣の開けた場所では旗作りができたり、本物の馬やポニーと触れあえるため、子供たちもいた。

 

私たちが着いたのは11時近くになっていたため、すでに鍋にはいくつかの食材が入りカレー作りは始まっていた。さっそく私はアーモンドガールに任命され、アーモンドのすりつぶしにかかった。コツを掴み、すり鉢を抱えてひたすらすりこぎを回すのが楽しくなってきたころ、隣のテントに男の子が来た。隣町からお父さんと妹と来たらしい。馬にも乗り、ワークショップも終わってしまったようなので、「一緒にお手伝いする?」と声をかけたところ、はりきって手伝ってくれることになった。

1531578_600539673425558_2130326612619237041_n.jpg

これが予想以上に一生懸命やってくれるので、びっくりしてしまった。何分かすると疲れてきた様子だったので交代したが、楽しんでくれたようだ。このカレーは3時頃完成する予定であることを告げたが、「午後は近くの会館でコンサートが始まるから」としばらくすると帰ってしまった。少し残念な気がしながらも、ここで声をかけて参加してもらうことが目的ではないのだ、とカレーキャラバンの「待つ場づくり」を思い出した。

 

その後も、うまま祭りには子どもや地元の方も来る中で、カレーの良い匂いや看板にあるクミンちゃんの可愛さに惹かれて(と私には見えた)、多くの人が足をとめていた。中には3時にできるというカレーが楽しみでお昼ご飯を食べずに待つという人まで。文字にするとありそうな話なのだが、実際目の当たりにすると、すごいなと驚いてしまった。

DSC_1232.jpg3時を少し過ぎる頃、ようやくご飯も炊け、みんなの期待と視線が大鍋に注がれながらカレーは完成した。列ができてひとりひとりに「お待たせしました」と渡していくなかで、あの男の子がいた。びっくりしていると、「コンサートはつまらなかったから出てきた」と言って笑っていた。本当につまらなかったのかもしれないが、でももしかしたらカレーが気になって戻って来たのかもしれない。これが予測できない、待つ楽しみなのか。美味しそうにカレーを食べる姿を見ていたら、こっちまで嬉しくなってしまった。ちなみに男の子のお父さんは牛乳屋さんで、道の駅で売っている会津饅頭やアイスクリームなども作っているらしい。今回は慌ただしく時間がなかったので、今度また買いに行こうと決めた。

 

カレーはあっという間に底をつき、みんなから出てくる「美味しかった」「ありがとう」という声とともに大盛況に終わった。今回始めて参加しちょっとお手伝いしただけでも、つくる人たちの即興と地元の人々とのやり取りと待つ場づくりを体験でき、カレーキャラバンの魅力を知ることができた。

またカレーキャラバンに参加したいと思うと同時に、またここにも来たいと思う一日でした。加藤先生や木村さんをはじめ、南相馬でお会いしたみなさん、ありがとうございました。

 

 

帰り際、加藤先生たちが南相馬から車で東京に戻ると言うと、町の人は最近開通した常磐道のルートを教えてくれた。2時間も早いらしい。でも私たちを見て「若い人いるなら心配だ、怖いからやめた方が良いか。やっぱり遠くても二本松の方を通りな」と言い、「震災以降子供たちは東京に避難していて、ここにはお年寄りばかりだから好きにやってるんだ」と冗談っぽく言う姿を見て、そして帰るときにみんなが声をかけてくれた姿も見て、ちょっと寂しさのような何かと同時に「うまま祭り」の素敵さと町の人の温かさを感じた。

 

カテゴリー: ゆーな 越境レポート

コメント

What's New

twitter