10月19日(日)世田谷区上祖師谷にある、吉実園という農家で「tokyo agri in 世田谷」というイベントを行いました。
(イベントページ:https://www.facebook.com/events/318362605010101)
このイベントは、普段あまり身近ではない農家を訪れ、そこで育つものやそこに生まれるつながりを見て、自分たちの地域について考えようというものです。私が、もともと”地域”というテーマに興味があったことからこのイベントは始まり、学生5人と社会人1人で企画を行いました。
今回お邪魔した吉実園は、吉岡幸彦さんという方の農家です。世田谷の住宅街のど真ん中にある6000坪の大きな土地で、野菜だけでなく、鶏や豚も育てていらっしゃいます。この農家、家畜をたくさん飼っているにも関わらず、匂いがまったくしないのが特徴です。だから、ご近所からの苦情もなく、良好な付き合いを続けられているそう。家の前には直売所があり、とれた野菜や卵はすべてそこに出荷しています。基本的に、その日出荷したものはご近所の人たちが全部買って行かれるため、まさに地産地消がそこでは繰り広げられています。
イベントの前半は、吉岡さんに園内を案内していただき、その後吉実園で育てている鶏の卵で卵かけごはんを食べて、最後にみんなで対話しようという内容にしました。
▲かわいい豚とたわむれました。
吉岡さんがすごくかわいがっているため、人にもなついてます。
吉岡さんの朝の作業が終わる10時から案内してもらい、鶏舎・豚舎・庭園樹園場・野菜園場を見させていただきました。豚舎では、着くなり吉岡さんが「ブー!ブー!」と呼ぶと、向こうからのしのしと豚が歩いてきて、とても吉岡さんになついていることが分かりました。参加者のみなさんは、普段見慣れない豚を見て、触れて、「かわいい!」「毛堅いね!」と楽しそうに見学していました。次に、鶏舎では商品ではなく命として食を感じてもらいたいと、後で食べる卵かけごはんの卵を自分たちでとってもらいました。みなさん、鶏の群れの中に入って行くときは戸惑っていましたが、卵をてにとると「あったかい」と感動していたり、放し飼いになっている鶏の写真をとって喜んだりしていました。
▲上:鶏舎の中。こちらも人になれてます! 下:みんなでとった卵♡
▲畑の中でお話。天気もよく気持ちよかったです。
また、歩きながら吉岡さんからいろいろなお話を伺いました。吉岡さんは造園業も営んでいて、そこで出た木の枝などをチップにしたものを豚糞と混ぜ、そこに米ぬかを散布したものを鶏舎に敷き詰めているそうです。そして、鶏の糞も混ざったとてもいい肥料ができるのだそう。その肥料が混ざった土で野菜を育てているとのことです。こうして、園の中で出たものを余すことなく、園の中で循環させていくという循環農法で野菜を育てているそうです。知らないことをたくさん教えていただき、触れることのできない食の根っこの部分に触れたあとは、吉岡さんのお家で卵かけごはん!みなさんこれをとても楽しみにしていたようでした。
▲自分でとった卵は一段とおいしい♪
その後、4、5人のグループに分かれて、園内を案内してもらい、吉岡さんのお話を聞いて、それぞれが感じたことを共有。この時は、東京のど真ん中でろいろなものをつくっていること、普段見れない食の一面を見れたことなど食にまつわることをみなさん話していました。そして、「自分たちの出身、または、暮らす地域について」と、今度は”地域”にフォーカスを当てて話してもらいました。最後に、吉実園のように、食と地域が強くつながっている場って、首都圏などの自分たちが暮らす地域にはあまりないよねということで、「これからの地域と食はどうつながっていってほしいか」という問いについて話しあいました。すると、みなさんから面白い考えがたくさん出てきました。例えば、「2020年の東京オリンピックの料理は東京で育てたものを出すために、空き地や屋上などにもっと畑をつくって、野菜を育てることが当たり前になってほしい」「東京のアンテナショップをつくって、もっと東京のものに触れる機会があってもいいんじゃないか」「近所の人たちと一緒に野菜を育てられるシェア畑をつくればコミュニティもできるよね」などなど。吉岡さんのお家というアットホームな雰囲気やおいしいごはんも手伝って、予想以上に盛り上がり、いい雰囲気のでした!
自分のまわりの地域についてや普段食べている食について、考えることは大切なことですが、なかなかできていないこと。それを改めて考えて、いろんな人と共有することの大切さを感じることができました。このイベントが、ひとり一人の地域を見つめ直すきっかけになればなと思います。今後も、こうして地域について考える人が増えるような活動をしていきたいと思いますのでお楽しみに!!
コメント