とっても晴れた10月11日、鎌倉に行った。
ひとつ前のブログで越智さんが記事にもしている、『ぱぱとままになるまえにin古都・鎌倉「海の見えるまちで考える、これからのこと。」』に参加することにしていた。足を運んだ先でゼミ生に会うこともあり、そのときにその人の興味の方向が少し垣間みれるところも越境のいいところだ、と越智さんの記事を読んで思った。
この企画は、ゼミ生の宮田がインターンしている『NPO法人ぱぱとままになるまえに』(通称:ぱぱまま、HP:http://papamama.cc/)が行ったもので、宮田は当日スタッフとして関わるということを前日にわたしに教えてくれて、冗談半分で「10時50分に鎌倉駅に早めに集合して準備とか手伝う予定だから来てくれてもいいよ。笑」と言っていた。それに対してわたしも冗談半分で行くと返事をしたところなんだかやる気がみなぎってきた。参加者として告知を見ていたが、当日一緒に手伝いをすることにわくわくした。
≫階段の位置がわかりにくかったので扉の横に案内を出したり、立てかけの看板を書いたり、
わかりやすくたのしくなるような場をつくる手伝いをさせてもらった。
普段ぱぱままでは、主に妊婦さんをゲストとして呼んでその人の体験していることやいままでのエピソードを話してもらい、それを聞いた参加者の中にゲストも混ざり一緒に対話をしている。今回お呼びしたゲストはふたりで、一人目は臨月を迎えてお腹が大きな平野美穂さん、二人目は葉山在住でシェフをしながら主夫をしている玉木雄三さんだ。いつも通りお話を聞き、みんなで話してみるというように行った。この日のコンテンツやお題についてはひとつ前の越智さんのブログを参照してほしい。
今回の対話は1班4〜5人のワールドカフェ形式で行った。テーマは”妥協”だ。
テーマ設定はおもしろくはやく話したいと思った一方で、この言葉を聞いて話すことが見つからず、はじめは話に入っていくことができなかった。あとから思えば、妥協していることに気がついてない生活をしていたのかもしれない。それでも話は盛り上がり、わたしも自分のエピソードを話すことができた。スマートフォンのカバーの色が本当は透明がよかったけど、欲しいときになくて青色を買って、そのまま使い続けていることに妥協していると感じるという話だ。こんな小さい出来事も受け入れられる雰囲気だったから話すことができた。参加している人が対話を理解していたのだと思う。ひとりだけ話し続ける人や、講演会のようにレクチャーになってしまう瞬間が一度もなかった。どこに行ってもひとりはいるのがわたしのいままでの経験だったため、これにはとても感動した。対話を通して、妥協についてやその周りのことを考える機会となり、ひとりではこのことを妥協と捉えることはなかったようなことまで気づいてゆく過程を味わった。
≫ワールドカフェの様子。全4ラウンド行い、1ラウンド目より2ラウンド目…と
回数を重ねるにつれてだんだん掴んできて話が弾んでいった。
ワールドカフェも終わり、最後に一日のまとめのひとことを紙の裏面に書いて発表することになった。わたしの前に発表していて多かったのは妥協について考える機会になったという人だった。それを聞きながらわたしは自分の番が回ってくるぎりぎりまで書かず、あとふたりのところで書いた。”もやもやすることをたのしめた時間”とした。
このまとめを出すのに直前までもやもやしたし、ワールドカフェで妥協について考えているときも、ゲストのおふたりのお話しを聞いているときも結婚・出産・子育ての経験のない身としてはすべてが理解できるわけではないためもやもやしたし、越智さんの記事にもあるように、会場は畳の間だったのだが、もしかしたら畳にあがるときに”なんで靴脱がないといけないんだろう”というもやもやが既にあったのかもしれない。このことを話したらみんな笑っていた。あ、なんで靴脱ぐんだろうと思ってたんだ。
≫一日のまとめを書いているところ。
このとき真剣すぎての対話のにぎやかな雰囲気とは違い、この日一番静かに作業。
わたしは参加者でもあり、手伝いで運営側にも片足を突っ込んでいた立場だったため、対話をたのしみ、ワークに一生懸命になりつつ、一歩引いたところから見つつ、と複数の視点を持ってこの日を過ごしたと思う。
対話のときに感動したのは、参加者として真剣にたのしめたからだし、もやもやする時間が個人的にも全体にもあったと振り返れているのはメタに見ていたからなのではと考える。
参加者と運営側を行ったり来たり自然と切り替えがされている感覚は、普段のゼミ活動や何か企画を自分でしようと思うときに必要な体験、経験かもしれない。自分が全体のどこにいるか、流れのうちで今どこなのか、次やることはワークショップだから自分はこう動こう、と自分で考えて動くことができるようになるきっかけになるのではないかと思う。
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