MELC(長岡ゼミ)のブログ

メタワークショップ

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5月25日(日)に青山アススタジオで行われた「Open WSD Week」に行ってきました。「Open WSD Week」とは、青山学院大学社会情報学部が社会人向けに開講している「ワークショップデザナー(WSD)教育プログラム」(http://wsd.irc.aoyama.ac.jp/)の講師陣による、5日間の特別無料講座です。ワークショップやコミュニケーションに興味がある人や、「ワークショップデザイナー育成プログラム」の雰囲気を知りたい人のために、毎日違う講師の方々がそれぞれのテーマで、約1時間半の講座を開きます。私は、その1日目に参加してきました。テーマは、「ワークショップを通して学ぶ、ワークショップデザイン」。講師は、劇作家や演出家をされている平田オリザさん。ワークショップデザイナー育成プログラムの講師だけでなく、小学校などでも演劇ワークショップを行っているそうです。今回は、その演劇ワークショップの体験と解説を通して、ワークショップについて学んでいきました。


2014-05-25 WSD.jpgのサムネール画像▲会場の入り口。靴を脱ぐところから、何をやるのかなとワクワク!


まずはじめに、声を出そう!ということで、オリザさんからの「好きな色は?」という問いに対して、ひとり一人が大声で好きな色を叫びました。それと同時に、歩き回りながら同じ色を叫んでいる人たちを探してグループをつくっていきました。参加者は社会人の方がほとんどだったのですが(学生は私だけだったかもしれません。)、大の大人が「緑!」「赤!!」「黄色ーーーーー!」と叫ぶ光景は、はたから見ると異様だったかもしれませんが、みなさん楽しそうに叫んでいました。声を出して、体を動かすことで、その場の雰囲気はとても温かくなっているように感じました。また、大声を出してテンションが上がっていることもあってか、同じ答えの人を見つけると、普通に好きな色が同じ人と出会うときには考えられないくらい喜んでいました。問いは、好きな色から始まり、好きな果物、青山から連想されるもの、ベルギーと言えば、と全部で4題出されました。皆さん恥ずかしがったり、戸惑ったりすることなくワークしていました。大人が対象ならこのワークは基本的に問題はないようですが、子どもを対象にこのワークをすると困ることもあるそうです。特に「中学生は難しい」とオリザさんは仰っていました。それは、思春期の中学生、特に男子中学生は、恥ずかしがって「好きな果物は?」と聞いても「りんごでいいよりんごで」と仲いい友達とグループを組んでしまい、女の子と同じグループになることを避けようとするからです。では、そんなときにどうしたらいいのか?いい例は誕生日です。これなら、「2月でいいよ」と内輪でグループを作られる心配はありません。または、問いを生徒自信に考えてもらうという手もあります。自作自演させることで、参加しているという意識を強めることができるそうです。ワークショップの対象者の目線に立って、問いを変えたり、問いの出し方を工夫したりと、やり方をデザインすることがよりよいワークショップになるとのことです。


その後、2人や3人の組になって体を動かすワークをしたり、カードを使ったゲームをしたりしました。カードを使ったゲームは、1~50のカードを1人1枚配られて、小さい数になるほど「おとなしい趣味」、大きい数になるほど「活発な趣味」を持っているという設定で、趣味を紹介し合います。このとき、自分の趣味は関係なく、配られた番号に見合うと思う趣味を考えます。そして、相手の趣味から、自分と一番番号が近いと思われる人を探して、ペアを組みます。私が配られた番号は24番。かなり微妙な数でした。おとなしくもなく、活発でもない趣味ってなんだろうと考え、私は「おしゃれ」を趣味にしました。今回も歩き回りながら、近い番号の人を探しました。中には「家で一人で静かに寝ているのが趣味です」と低い番号だなと分かりやすいものや、「カメの世話をするのが趣味です」とユニークなものもありました。いろいろな趣味の人がいる中で、私は「ショッピングが趣味です」という人とペアを組みました。そして、最後にペアごとに趣味と番号を発表していきました。「おしゃれ」を趣味にした24番の私が、近いと思って選んだ「ショッピング」が趣味というペアの番号は、なんと23番でした!そこで、番号が近いと、連想する趣味も似たものになるんだなと思ったのですが、必ずそうとは限りませんでした。同じ料理が趣味のペアがいましたが、番号は10番ほどはなれていたり、料理が趣味という人とダイビングが趣味という人の番号がとても近かったりというような人たちも少なくありませんでした。そこで、同じ日本語を使っているのに「おとなしい」や「活発」という言葉の認識が、人によってこうも違うのかと驚かされました。


ワークの後には、オリザさんから、ワークショップについて解説をして頂きました。「ワークショップはいろいろな分野に応用できたり、仲介できるものになること」、その一方で、「ワークショップの手法は危険な団体で使われていることを知ることや、ワークショップによって必ずjコミュニケーションが上がるというような過信をしないことが大切だ」と仰っていました。現在は、ワークショップといっても、さまざまなカタチのものがあり、「これがワークショップだ!」と一概に言えなくなっています。だからこそ、ワークショップのできることや危険性をきちんと理解して応用していくことが大事だと感じました。



今回のカードを使ったゲームで、一番番号が近かったペアには、オリザさんの演劇の無料鑑賞という特典がつくとのことらしいので、今度行ってみようと思います。

カテゴリー: Sarah 越境レポート

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