一つの本というツール。だけど、同じ本でも読む人によって感じ方は違い、手に取る本もその人の心情や環境によってまったく違ったものになる。そんな十人十色な価値観や本に出会うためのツール『BOOKMAP』のワークショップ「忘れられない、あの本・この本~世界に一つのBOOKMAP(本の地図)から本棚をつくろう~」を、10月5日にみらい館大明にあるNPO法人おとな大学のブックカフェで行った。BOOKMAPとは、人生を四つに分けて、それぞれのターニングポイントなどで出会った忘れられない本や価値観を変えられた本などを記し、それを共有しながら本を通したコミュニケーションができるものだ。
(下に自分のコメントを、上には他の参加者の本に対するコメントをなどをもらえる。)
4月にブックカフェで行われた「アイデアから育てるブックカフェ講座~アイデアセッション編~」で、グループに分かれて「本を読んでもらう仕掛け」というテーマで話し合ったときに私のグループでうまれたBOOKMAPというアイデアをワークショップとして実現させていただき、企画も同じグループだった社会人の方2人と、おとな大学の山本絵美さんやインターンの学生さんにお手伝いいただきながら一から行った。また、今回はファシリテーターも任せていただき、企画・司会・進行という三拍子は初めての経験だった。進行役を経験することで、今まで自分がワークショップに参加者として参加するとき、いかにお客さんという意識で行動していたかが分かった。参加者のときはワークショップ自体を素直に楽しめ、進行などを気にすることなく、言ってしまえば好き勝手できる(笑)だが、今回はそうはいかない。特に難しかったのはタイミングをつかむことだ。本について対話したり、BOOKMAPを共有したりするときに話しが盛り上がり、時間をオーバーしてしまいそうになった。しかしここで会話を切ってしまうと盛り下がってしまう、でも時間が・・・。というように、参加者の方に楽しんでもらい、かつ、進行もスムーズに行うということがとても難しく感じた。自分がワークショップに参加するときに、ファシリテーターの進行の仕方を気にしたことはなかったが、実際にやってみて、タイミングや話しの切り出し方、言い回しなど一つ一つは些細なことだが、そんな小さなことで快適なワークショップの空間が演出されるんだなと感じ、ファシリテーターの経験はとても勉強になった。
(完成したBOOKMAPの共有中。いろんな本に興味深々。)
今回のワークショップでは普段一人で読んでいる本を、他人と共有し、語り合う楽しさを参加者の方々も楽しんでくれていたようで、本にはインプットだけでなくアウトプットするという楽しさもあると改めて思った。
最後にブックカフェのシンボルである木のカタチの本棚にBOOKMAPに上がった本を並べて、参加者で一つの本棚をつくった。
コメント