MELC(長岡ゼミ)のブログ

"しゃべるとスゴイ、おがつスターズ"

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先日、宮城県石巻市雄勝町へ行って来た。この町は、町のメインストリートのほとんど全てを大津波によって失い、約4300人が暮らしていた町は、震災の影響で1000人ほどに激減。現在もまだまだ復旧活動が続けられている。そんな雄勝地区を食の魅力で活性化しようと地区の女性たちで結成したのが、「おがつスターズ」だ。おがつスターズは、同地区の各浜から推薦された女性ら14人で結成。「浜のかあちゃんの味、食べでみらいん!」をコンセプトに、雄勝の海産物を使った新商品開発や、地元の食材を生かした地域活性化に取り組んでいる。震災前は、浜が違えば会うこともなかった浜のお母さんたち。町内でも浜によって調理方法や味付けに違いがあることを知り、驚いたそうだ。

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そんな「おがつスターズ」が、今後さらに一致団結して活動していくために、行ったのが今回のデザインワークショップ。フードデザイナーズネットワークにおけるインターンの活動の一環で、ボランティアで賛同してくれた都内の広告制作会社と共に、「おがつスターズ」のロゴを決めとキャッチコピーづくりに励んだ。まずは、「デザインとは何か?」という問いかけからスタート。デザインとは“目的があって、それを表現するもの”。ロゴをデザインするにあたって、自分たちはどんな団体でありたいか、外からどう見られたいかを話し合いを通して、改めて考える。結果、お母さん方から、「おがつスターズは、雄勝の食べ物や食文化を伝えたいという地点からスタートした。今は、雄勝の良さを、全国に伝えたい。」という強い思いが出てきて、結束を力強く示すロゴが採用された。そして次に、自分たちにキャッチコピーをつけるというセッションに移った。アイスブレイクで、まずはお母さん方がお互いにキャッチコピーをつける。唐突にコピーを考えるといっても、難しいと言っていたお母さん方だったが、「相手の何を伝えたいか、他とどう違うのかを考えてみてください」とアドバイスを受けたところ、話に花が咲いて“ホタテ剥き速い!るみちゃん”や“サンショウは小粒でピリリと辛い、かわいい力持ち伊勢さん”など相手の特徴を良く捉えたコピーがたくさん出てきた。その勢いで、本題の「おがつスターズ」のキャッチコピーも、お母さん方ならではのコピーがたくさん出てきたのだ。その中でも、“しゃべるとスゴイ、おがつスターズ”というコピーはシンプルだけど、直感的にぴったりだ!と思えたものだった。発言するときに手を挙げなくても、みんなでワイワイ話が進む。1人1人のキャラの濃さは、ピカイチだ。また、のぼり旗を考えるときも、お母さん方ならではのセンスのいいコピーが飛び交った。特に印象的だったのは、“ぱっくんぱっくん、ほたてごはん”。雄勝で穫れるホタテはとても美味しく、ホタテがぱっくんぱっくんする様子と、ホタテごはんをぱっくんぱっくん食べる様子を掛けたのだ。このコピーを聞いて、今すぐ浜のお母さん方のホタテごはんを食べたい!と、以後、ホタテごはんのことで頭がいっぱいになった。

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ワークショップが終了し、お母さん方はそれぞれの浜や仮設住宅に戻っていった。「おがつスターズ」が結成し、メディアにも注目され、露出機会が増えたからであろうか。お母さん方に会う度にオシャレに磨きがかかり、綺麗になっていくという話を受け、メディア(=浜の美味しさを伝えること)としての食以上に、人は強力なメディアになり得ると感じ、確かな希望を感じた。

 

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