MELC(長岡ゼミ)のブログ

草加へ帰る。

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俳句の名人である松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の道中、最初に泊まったとされる草加には、『神明庵』という休憩所があります。

神明庵は、市の観光課と地元のボランティアの方々によって運営されています。草加は歴史と趣のある町ですが、ここ数年、町興しが盛んで何か新しいものを作っていこうというエネルギーに満ちています。その点がとても面白いと感じました。そこで私も、休憩所「神明庵」でボランティアをさせていただくことになりました。

神明庵入口1

神明庵入口2

 

まずは、神明庵がどんなところが伝えたいと思います。

神明庵』(http://www.shinmeian.com/

神明庵は、安政元年(1854年)に建てられた大津屋という商家の建物を改築し、去年から休憩所としてオープンしました。そのため、当時の特有の造りが建物の各所に現存しています。

神明庵建物

1階は観光案内所や休憩所として、2階はギャラリーとして様々な展示や催しが開かれています。近くに松原並木という遊歩道があるので、ウォーキングの帰りに立ち寄ってから帰る方が多いです。

松原遊歩道(http://www.city.soka.saitama.jp/cont/s1805/a02/a02/a05/02.html

 

 

また、神明庵には、様々な顔があります。

1.観光案内所や休憩所という顔。

2.地域の様々な人が集うコミュニケーションの場という顔。

3.地場産品の紹介や販売を行う場という顔。

4.子供たちが生の文化に触れる機会と提供する場という顔。

地元でお祭りなどのイベントがあったときは、ここ神明庵もたくさんの人で賑うそうです。

神明庵ギャラリー

ボランティアの一日はまず建物の扉を開けることから始まります。「そんなの当たり前じゃないか」という声が聞こえそうですが、昔ながらの木造なので扉を開けるだけでもコツが必要で慣れていないと意外と大変です。雨が降った次の日は湿気が溜まっているのか普段よりも力を入れないと開けられません。次に掃除をして、お茶とコーヒーを沸かしたら開館です。お客さんが訪れたら、お茶を出したりおせんべい等の地元の特産品を売ったりしています。

神明庵洋菓子

神明庵草加せんべい

ボランティアの方々は40名ほど登録されているそうですが、私のような新人もいれば、月に1~2回しか手伝えない人もいます。 ですから、知らない人と一緒に準備をし、運営する機会は意外と多いのです。

それでも、声を掛け合って出来るだけ快適な場所を作ろうとする姿にワークショップと似たような感覚を覚えました。また、ボランティアスタッフでなくても、いろんなお客さんが、折り紙の飾り物やお花、お茶トレーなど実に様々なアイテムを持ってきてくださいます。長岡ゼミでは「ソーシャルなマインドをもつ」というのがテーマの一つですが、神明庵にいると「人々の交流の場である神明庵に何か貢献できないか」、という気持ちが強く伝わってきます。ここで私が不思議に感じたことは、神明庵にいると自然とソーシャルな行動ができてしまう、ということです。その理由を考えたときに、私は「我が家」「可能性」という言葉を思い浮かびました。 神明庵折り紙

 

ボランティアをする前、私もお客として神明庵を訪れたことがあります。その時に感じた雰囲気を一言で表すと、「おばあちゃんち」です。もっと上の世代の方は「自宅」かもしれません。ボランティアの方々のごく自然なおもてなしは心地よく、お客として来ているのに自分の帰るべき場所だという印象が強く、リラックスできたことを覚えています。

ここに集まった方々はいろんな経歴をもっています。会話は政治、職業、昔の草加、今の学生について…いろんな人が自身の体験をもとに話してくださいます。彼らが話をするたびに、常に新しい出会いや機会、発見が生まれようと脈打っています。そこに新たな可能性を感じているのはきっと私だけではないはずです。

自分の居場所があるという安心感とちょっとした会話からの刺激が、ここに貢献しようという気持ちを育んでいるのではないでしょうか。

空間と人の調和、安心と刺激のバランスを感じることが、私たちのソーシャルなマインドを促すコツなのかなと考えました。

神明庵お茶タイム 

 

 

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