MELC(長岡ゼミ)のブログ

やってみてから生じる新たな感情

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半年前ワークショップという言葉に魅かれて入ったFLEDGE。そんなFLEDGEでの実践「コトバに“恋”するワークショップ」の活動報告をしたいと思う。

9月17日、コトバに“恋”するワークショップを開催した。場所は、この一年で随分と通い慣れた場所、東京大学福武ホール。新聞広告を作りながら、ココロを動かす言葉の力について考えるワークショップである。4時間半で広告を完成させるという過酷なワークショップにも関わらず12人の勇気ある学生に集まって頂いた。ワークショップ名や告知文の内容から、予想はしていたが女性の割合がとても高かった。

メインで行うワーク内容は、「農家の男性の魅力を認識し、女性が農家に嫁いでくれるようになる広告を作る」というもの。楽しんで欲しい、でもしっかりと何かを持ち帰ってもらいたい、そんなプログラムにしたつもり。 ワークショップは、広告というものについて話してから、キャッチコピー、さらにそれに見合う写真を自分たちで屋外に出て撮ってくるというように進めていった。そんな中、私が今回のワークショップのファシリテーターを務めた。初めての経験なので前日から自分自身ビビっていたのは間違いない。でも一方で、こんな貴重な経験ができることにワクワクしていた。初めて自分が主体となって開催したイベント。しかも、何もかも自分たちで企画したのだから楽しみじゃないはずがない。

 

自分にキャッチコピーを付けてみる。

初め自分にキャッチコピーをつけて自己紹介をする。例えば、私は「毎日旅行気分!ちょー自然派」や他のメンバーは「とにかく敵は作らない、草食系社畜」などといった具合にキャッチコピーを付けて、それを含めて自己紹介をする。約3分でそれを考えて自己紹介をするという企画者の私達からしても過酷な難題だった。それぞれ苦戦しながらも、テーブルごとの会話は盛り上がっていました。この自己紹介は後にあるキャッチコピー作りの練習でもある。

自己紹介中.jpegのサムネール画像 

会場の雰囲気が最高潮に達する。

ワークに入る前に、広告についての説明を、広告博士というキャラを設定してレクチャーをしてもらった。さらに今回のワークショップのワーク内容は、広告博士のもとにある村から依頼が来た設定にしたため、村の代表者ほいばあちゃんにも来て頂いた(笑)。ほいばあちゃんには村の現状、そして広告博士への依頼内容を熱弁してもらった。そう、このキャラによる会場の高揚は凄まじかったのを鮮明に覚えている。

ほいほいばあちゃん.jpegのサムネール画像

 広告博士.jpeg思い描くコピー

それぞれの班がおもむろに議論を進めていく。誰かの最初の一言を皮切りに、盛り上がった議論になっていく。それぞれのチームで、農家で働くということ、農家の嫁になるということ、田舎で暮らすということなどのキーワードがあがっていく。それぞれのチームがそれぞれの視点で語っている。ある一人の言葉が発端となり、さらに話が盛り上がっていたように感じた。そして、グループワークが上手だなーって思った。誰もが、人の話に乗っかって議論を進めていた。だから、議論が白熱しているというよりは、楽しくおしゃべりをしている和んだ雰囲気が空間全体に広がっていた。特に女の子のチームは本当に楽しくディスカッションをしていた。いや、ものすごく盛り上がっていた!恋というキーワードも功を奏してか、ガールズトークが展開されていた。今の時代女性が強いというが、それを実感した瞬間でした。

今回のワークは60分という時間を設定してキャッチコピー作りをしてもらったわけだが、余裕を持ってキャッチコピーを決められたチーム、時間が近づいてもなかなか決まらないチームに分かれた。思ったよりも簡単だったのかなあとその時は考えもしたが、どうしてこうなったのか後に分かることになる。

 

IMG_1782.jpgのサムネール画像のサムネール画像

コトバとイメージを繋ぐ

キャッチコピーが決まったら、次は写真撮影。そして、広告完成へと移っていく。どんな写真を撮るのか、どのような場所で撮影するのかを考えながら東京大学のキャンパス内を時間いっぱいまでかけて写真撮影をする。と期待していたが、そんな期待もあっさりと破られてしまう。3チーム中2チームは15分程度で撮影を終わらし、広告の完成へと移っていく。1チームは1時間程かけて写真を撮影していた。どうしてなのか、その時は不思議でしょうがなかった。でも、単純に考えれば分かることだった。キャッチコピーを考える段階で、撮影するイメージまで考えが及んでいたのだ。そうして出来上がった作品たちがこれだ。

 

 

ワークショップは成功だったのか?

リフレクションの際に書いてもらった感想を見る限り楽しかったという意見が多く寄せられた。WS後、ボクは出来る限り参加者と接せられるように駆け回った。どんな感想が聞けるのか楽しみだったからだ。「下らない話を真剣に仲間と話したら、おもしろいアイディアが生まれた」「ビジュアルまで考えてから、動けばよかった。」など、終わってから、他の班の意見を聞いてから思うことが人それぞれあったようだ。私はというと、初めてワークショップのファシリテーターを務めたわけだが、すごく楽しかった。一方で、自分自身の力不足を直に感じられた。それぞれの班に作品について語ってもらっているのに、即興でコメントを上手に言うことが出来ない。言ったはいいが、それは本当に適したコメントであったのか、表面上の薄っぺらいコトバになっていなかったのか。ワークショップ中もワークショップが終わってからもモヤモヤは収まらない。無事にワークショップを終えたのだから、達成感はあった。しかしそれ以上に何か他のものが残った。それがなんなのかはよくわからない。

 後日、私達はワークショップの振り返りを行った。

リフレクションの際に、参加者に書いてもらったアンケートでは、三班ある中で1つのチームだけ、他と異なる感想が並べられていた。「コトバだけ(コピーだけ)でインパクトをだそうとしたけれど、他の班を見てみると、コトバだけでなく上手く視覚的効果を利用できていて感心しました。相乗効果をうめるようなコピーとデザインを思いつきたいなあ」この感想を見て、私達は気づいた。そもそも、ワークショップの構成自体が、コトバ(キャッチコピー)を重要視する構造になっていなかったんじゃない?元々私たちは、キャッチコピーを中心に考えるワークショップを企画していたはずだ。なのに、ビジュアルを重視しているようなワークショップの構成になっていたのだ。確かに実践前にグループの中では実際ワークショップをやってみた。その時は上手くいった。しかし、自分たち自身でさえ意図していたことと違ったことをしていることに気づかなかった。そうメタ認知が出来ていなかったのだ。相手の立場に、一般的な立場に立つことが出来なかった。ワークショップ全体の情報が入ってしまっている状態からどうしても抜け出すことが出来なかったのだ。本番を前にワークショップについて何も情報のない人を集めてのプレ実践は行えなかった、これが構成をただすことが出来なかった最大の要因だと思う。そのとき、私達C班の4人はみんな言った。もう一度作り直したいね!もう一回やったらもっと楽しいワークショップになるよ、と。終わってから気づくことがやはりあるのだと、改めて思い知らされた。

一回きりのワークショップで私達C班は解散。でも、この経験から学べたワークショップを作ることの難しさ、楽しさは決して忘れることない.また、ワークショップやってみたいな!!!

 

WS集合写真.jpeg

最後にこのような機会を提供してくださったFLEDGEプロデューサーの方々、ディレクター、そしてFLEDGE C班の方々ありがとうございました。

またFLEDGEについては次のブログで書きたいと思います。

当日のトゥギャッター→ http://togetter.com/li/375423 

カテゴリー: たかなり 越境レポート

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