夏休みが終わって後期が始まった。ちょっとその前に夏休みの振り返りをしたい。少し遅れた話題だが9/4.5長岡研究室夏合宿@山中湖が行われた。
いわゆる避暑地で行われたこの合宿のテーマは「知ること」「物語ること」。1泊2日の合宿で行われたインタビューワークショップを通して、対象者をインタビューによって「知り」、そのインタビューを一枚の記事へと「物語っていく」。4チームに分かれてローテーションしながらインタビューを進めていった。インタビューをきちんとする事は初めての経験だった自分にとってどんな事をしたらいいのかさっぱりわからなかったが、最初に行われた先生のレクチャーによってその不安はだいぶほぐされた。インタビューで意識すべき点は、質問という「トピック」をぶつけながら対象者をどのように物語るかという「ビジョン」を組み立てておくということだ。「普段何してるんですか?」とか「趣味はなんですか?」と言う質問をぶつけながら、対象者とやりとりを繰り返していく。やり取りをしながら、ビジョンを柔軟に変えながら一人の人物像を物語っていく。今回はnucubeというサイコロに対象者が自分自身のトピック書いてもらい、それをインタビュアーが質問し、対話を進めていった。このnucube、色合いがキュート!対象者とのやりとりを通して、この人は一体どんな人なのか、どこのどんなとこが魅力なのかを表現していく。そこにはおもしろい発見があった。
物語を編んでいく
いざインタビューをしてみるとどうだろう。終わってみると普通の楽しい会話になったケースが多かった。でも各々の完成した記事を見ると、どれもきちんと物語になって仕上がっていた。なにも意味をなさないようなものから意味づけし、物語を綴っていった。ぼくはこの意味付けにおもしろい魅力を感じてしまった。「まるで糸を紡いでるみたい。」綿花の綿(わた)のようなふわふわとした時間を意味付けという「紡ぐ」作業を加えることによって糸という名の意味として蓄え、物語を編んでいく。前期のはじめ、僕は様々なところに足を運びいろいろな体験をしてきたが意味付けをするという事を怠ったが為に、「じゃあそこから何を学んだの?」という問いにうまく答える事ができなかった。それからひとつひとつの越境活動の記録を残し、ブログを書き、自分なりに発見した事や学んだ事をある意味無理矢理でもつけるように心がけるようにした。するとひとつひとつの越境活動で学んだ事が糸となって複雑につながり合い、ひとつの流れとして物語れるようになった。点と点をつないで線になって絵になるといったらわかりやすいかもしれない。意味付けをすることでつながる、そしてさらに発見する。インタビューワークショップを通じて、意味付けの大切さを改めて強烈に気づかされた合宿だった。今後も糸を紡ぐことは続けていきたい。糸をつなげて編んで部品にする。部品をつなげてさらに作品を完成させていく。はたしてそれはセーターなのかマフラーなのか、もしくは皿洗い用のスポンジなのか。完成形はわからないが続けていきたい。
コラボレイティブにつくる
WSの最終段階。できた記事を張り出し、ギャラリーウォークの準備をしている時の出来事。どういうレイアウトで記事を張って場を創っていくかで全員が固まっていた。そのとき聞こえた先生の一言、「おーい、誰かがアイディアを出さないと何も始まらないぞー。ほらー」すると誰かが遠慮気味にアイディアを出す。しーんとなる。そしてまた一言、「ほらー、アイディアが出たんだからいいのか悪いのか言わないと先に進まないぞ。ほらー、声にだして」すると「いいね!」と誰かが言う。「もっと〇〇した方がいいんじゃない?」新たなアイディアがでる。「じゃあこうしようよ!△△さん、テープちょうだい」場が一気に動き始めた。みんながどんどんアイディアを出し合い作業が進む。あいにく僕の声はあまり聞こえなかったようだが、見事にギャラリーが完成した。
ここにまたひとつ気づきがあった。思いついた事は口に出す。誰かから出たアイディアをyes,andで広げていく。こうしてみんなで創るとひとりでは思いつかなかったような素晴らしい作品ができあがる。そして創っていく場は非常にエキサイティングだ。コラボレーション。まさにこれがそうなのかという体験を僕たちはすることができた。
この経験をゼミや越境先でも生かしていきたい。コラボレイティブな場は僕たちが思いもよらないようなアウトプットを生み出すことを僕たちは知ってしまったからだ。すこし大げさに聞こえるかもしれないが、少なくともコラボレイティブな場を創っていく努力が何かしらの気づきを与えてくれるだろう。そして帰ったら経験をしっかり振り返って意味付けを行う。そして次につなげる。後期にむけて、非常に重要な学びがあったように思う。これを越境先でも実践する事が僕たちのやるべき事だと思うし、続けていきたいと思う。こうして後期を迎えた。後期はいったいどんな学びが未熟なイノベーターを待っているのだろう?わくわくしながら活動を始めたい。
コメント