6月4日、長岡先生も理事を務める一般社団法人 経営学習研究所(MALL)のキックオフイベントにボランティアスタッフとして活動した。(http://www.mallweb.jp/)
このイベントは二部構成で、第一部は株式会社電源開発より石井達也様、株式会社内田洋行より村浩二様をゲストに迎えて「これからの新人教育について」をテーマに講演が行われた。第二部は理事の方々によるプレゼンテーショントークが行われた。参加者はサンドウィッチやドリンクを片手に自由に動き回って理事と話ができる、非常に熱く賑やかな学び場だった。
私たちボランティアスタッフは設営のために早く会場に着いた。参加しているボランティアは様々な大学で構成されていて、みんなやる気に溢れている。それだけで何かが起こりそうな予感がした。
はじめに東大の中原先生が私たちのために「ラーニングデザイン」や「徒弟モデルによる熟達」などについてレクチャーをしてくださった。今まで私たちが当たり前のように行ってきた勉強方法はとっくに時代遅れになっていたことを知った。中原先生のトークは熱い思いが込められていて、しかも非常に面白かった。
それからH(たぶんエルメス?)のバックルが印象的だった。このような場ではドレスコードもコミュニケーションなどで重要と長岡先生も仰っていたのを思い出した。
そして最後に宿題が出された。「気になる人を見つけ、その人の心の変化を感じること」という宿題だ。この宿題は、ブログの終わりのほうで提出したい。
レクチャーのあとは、その場でグループを作り10分ほど意見交換をした。私のグループは自己紹介も交えつつ、今まで体験した学習環境(講義型授業や自習室、個別指導塾など)についての話が特に盛り上がった。
その後は設営準備に入る。会場の大まかな設計は伝えられるものの、椅子をどのくらい用意するか、カフェスペースにはどのくらいのスペースをとるか、中途半端なスペースをどのように活かすかなど自分たちで考えて試行錯誤しなければならなかった。
設営が終わり、いよいよ本番が始まる時間になった。私たちにとっては貴重な実践の場となる。続々と入場してくるお客さん。笑顔の挨拶を心がけながらも、内心は不安もあった。本番中はその場その場で個人の判断に委ねられるからだ。何かあっても誰かに相談することもできない。ただ、周りの方々のおかげで、大きなトラブルなく第二部まで終了し、イベントはクライマックスへと向かっていった。
世界初!参加型リフレクションムービーが完成したのだ。
MALLリフレクションムービー(http://www.hashimoto-lab.com/2012/06/1940)
これは参加者が撮影した写真を集めて、全員でリフレクションムービーを作ってしまおうという試みだ。リフレクションムービーにはイベントの途中で見られた様々な学びの瞬間が移されていた。そして嬉しいことに、私たちボランティアを写した写真まであったのだ!準備の段階から最後までのイベント全体を振り返ることのできる、素晴らしいムービーだった。
今回のボランティアで場づくりを実践させてもらって強く感じたことはおそらく「協働」についてだろう。誰かが仕切って指示するような声はほとんど聞こえない、学園祭の設営なんかとは全く異なる、不思議な出来事だったと思う。こんな風に自分たちで主体的に動いていると、どんなふうに仕上がるのか最後まで誰にもわからない。しかし、とても素晴らしい場が出来上がったことは事実だ。そうなると、「先輩や先生の指示に従って確認を受けながら仕事を進めていく」これまでのやり方はどんな意味を持っていたのか考えさせられる。先輩や先生なんていないほうがいい、ということではない。先輩後輩、先生の意味や役割が少しずつ変わってきているように感じるのだ。自分の中の精神的な面で、導管モデルに支配されている部分が、ちょっと崩れてきているなと感じた一日だった。
実は今回が私にとって初めてのボランティアだった。ついさっき出会った人と長時間一緒に活動するというのも初めての経験。しかも今回は、たくさんの先生方と一緒にイベントを作った。お客さんでも参加者でもない、当事者としてこの場全体とコラボレーションする感覚を得ることができた。
最後に中原先生からの宿題について。
私が気になった人は、第一部の講演の前はみなと同じように笑顔で名刺交換をしていた。積極的に挨拶をしている姿が印象的だった。次に見かけたのが、第二部のイーゼルトークの時。その方は岡部先生のトークを聞いて、まるで友人のように笑いあったり、肩をたたいたりしている姿が見えた。もしかしたら、お知り合いの方だったのかもしれないが、間違いなくあの場では対等な学習者として、何の壁も感じずに意見を聞いたり話したりしていた。その学びの光景が私にはとても学びには見えなくて新鮮だった。学びとは本来、楽しいものだということを感じられた。
最後になってしまったが、このような機会を与えていただいたMALLの皆様、一緒に頑張ったボランティアの仲間たちに感謝の意を表したい。
「とてもいい経験ができたことを嬉しく思います。本当にありがとうございました。」
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