MELC(長岡ゼミ)のブログ

越境の場 - Ba Design Workshop

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Ba Design Workshop.png

少し前になるが、

5月26日(土)東京大学福武ホールにて開かれた安斎勇樹さん主催のBa Design Workshop-場のデザインとは何か-に参加してきた。以前にも一度Ba Design Workshopに参加したことがあったが、今回は内容が違うのはもちろん、全く違ったのは集まったメンバーだった。前は学生のみであったが、今回は参加者の多くが社会人の方だった。

簡単に全体の流れを説明すると、

①   イントロダクション

②   自己紹介

③   サブワーク

④   メインワーク

⑤   プレゼンテーション

⑥   リフレクション

というものであった。

Ba Design サブワーク.pngのサムネール画像

まず、サブワークではチーム内でそれぞれが普段使うカフェを取り上げ、その場をなぜ好んで選んでいるのかについて話し合った。普段考えなくとも、カフェという場を選ぶには、無意識的にそれぞれの前提に乗っかって選んでいる。私がカフェを選ぶ時には、居心地のよさ、雰囲気がよさ(間接照明やインテリア)、ネット環境があることを基準に選んでいる。これは、カフェでPC作業をすることが前提でもある。他のメンバーは、待ち合わせ(駅から近い)をする前提、おいしいコーヒーが飲みるという前提で店を選んでいた。その中でひとつ興味を魅いた話があった。メンバーの一人の方が、普段使うカフェを日頃使うと同時に思い出の場所とおっしゃっていた。どういうことかと訪ねると、友人と出会った場所であり、頻繁に使うお店であると仰っていた。その友人とは他の友人を通して、そこのお店で知り合ったそうだ。僕は、「おお、もしかしたらその友人はアトラクターではないか」って秘かに思った。先日、カフェゼミにいらっしゃった飯田美樹さんのお話の中では、ある特定の人がいるからそのカフェに行く、人が人を呼ぶ仕組みが自然とフランスのパリでは出来ていると仰っていた。今回、メンバーの方の友人がアトラクターの役割を果たしていたかは詳しい状況を聞けていないので確かではないが、カフェにアトラクターが存在している店は少なくともあるような気がする。

このワークでは、普段の自分の行動には、必ず自分なりの前提があって、それに乗って行動していることに気づかされた。当たり前だと思うけれど、実はあまり意識していないものである。普段何気なくモノを選んだり場所を選んだりしているけれど、それぞれにしっかりとした理由がある。

Ba Design メインワーク.png

次に、メインワークでは80分間で「10年後のカフェ」をグループで創り上げるということを行った。

ここでは、内容というよりも時間の使い方について気になった。80分という長くて短いような時間をどのように使うかということだ。普段の私であれば、15分くらいカフェのコンセプトについてグループで話し合って、レゴを組み立てていく中で完成系にしていく方法をとることが多い。しかし、今回わたしのグループが行った方法は、80分のうち60分コンセプトを考える時間に充てるというやり方だ。コンセプトをピッカピカに磨いてから組み立て作業に取りかかった。初め私は、組み立てる時間がそんな短くて大丈夫なのかって思った。だが、コンセプトがしっかりしていると思いのほか組み立て作業はあっという間だったのだ。これは、完成図の絵が組み立てる前からほぼ明確に想像できていたからだ。初めコンセプトをじっくり考えるというやり方に少しもやもやしていた私も、組み立てている時にはけっこうすっきりしていた。たとえカフェが完璧に完成できていなくても、しっかりと内容が話せるだろうと思ったからだ。いつもの私は、無意識のうちに最後の完成品を重視していたってことにも気づかされた。パフォーマンスを重視して、その途中経過が疎かになっていたのかもしれない。

こうして考えてみると、80分という時間をどう使うかはメンバーによってかなり変わってくる。他のグループは、普段の私と同じように初めにコンセプトを早い段階で決め、作業と同時並行でコンセプトを深めている感じであった。どちらがいいなんてないのかもしれないけれど、普段とは違う方法で取り組んでみることの方が良い刺激になる。今回の場合、コンセプトをピッカピカに磨くことの大切さを知れたのは大きな収穫だ。方法は知っていてもなかなか実践できないものである。ワークショップの中で、意図して普段の思考法とは異なる方法を使ってもらえるようにする場を創ることも出来るのだろうか。唯一ワークショップの中の自由な時間である創る時間に何かしらの仕掛けを設ければ、そのようなことも可能かもしれない。今後これについても考えていきたいと思う。

 

そして、これからも越境を続けていろんなことを肌で感じていきたい。

 

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