MELC(長岡ゼミ)のブログ

12月の活動テーマは「情報発信」

| コメント()

12月、MELC@市ヶ谷の活動テーマは「情報発信」です。

Management Ethnograthers' Learning Community (MELC)と自らを称しているぼくたちにとって、「越境」の次にくるテーマを「情報発信」とするのは、ある意味当然の流れかもしれません。

エスノグラフィー(ethnography)とは、一般に関与型フィールドワークやそれをもとにした報告書(民族誌)を意味しますが、ぼくたちが活動のイメージとしているのは、必ずしも「調査としてのエスノグラフィー」ではありません。「活動主体自身が、自らの“異質性”を問い直す再帰的な学習プロセス」が、MELCにおけるエスノグラフィーです。自らを異化していく学習プロセスと言ってもいいかもしれません。

 

ethnography.jpg

 

学習者が越境し、さまざまな人々との出会いや、かかわりを通じて体験したことを、他者に伝えようとするプロセスの中で、学習者は、「出会った人々」と自らのの違いだけでなく、「読者/視聴者」と自らの違いについても向き合うことになります。

時には、「出会った人々」の振る舞いに戸惑いを抱くことになるでしょう。また、その体験を他者に伝えようとするとき、自分の思いに共感してくれず、苛立ちを思えることがあるかもしれません。

そんなとき、その違和感に対して、「あの人たちはヘンだ」と決めつけるのではなく、「ヘンだと感じる自分がヘンなのかもしれない」と考えてみてはどうでしょう。そうすることによって、ぼくたちは、自らの規範・価値観を自覚し、「自分の異質性」を問い直していくことができるような気がします。

いわゆる、伝統的なエスノグラフィーは、調査主体が「調査対象(出会った人々)の異質性」を他者に伝えることをそのミッションとしてきたと、ぼくは理解しています。それに対して、MELCの目指すエスノグラフィーとは、自らの体験から自らの異質性を問い直す再帰的な学習活動だと考えています。

その意味で、「越境」することに加え、そこでの出会いと体験を他者につたえようとする活動(情報発信)は、もうひとつの活動の柱になります。そこで、「情報発信」を「他者に情報というモノを伝える」と理解するのではなく、「他者に語るを通じて、自分自身を問い直す」という視点にたち、「情報発信」の“ネタ”としてのワ−クショップ的なゼミを行います。


12月1日(木) 15:30-17:30 外濠校舎301教室
実験の時間 「アトリエタイム」
長岡研究室のウェブサイトに関する企画・運営について、それぞれのメンバーがそれぞれ勝手に制作作業や企画の話し合いを進めます。「他者の存在を意識しながらも、自分の活動をそれぞれ進めていく」というアトリエ的な空間を実験的に出現させ、その意味を探ります。 

12月8日(木) 15:30-17:30 外濠校舎301教室
宇治野宗輝氏を囲んでのカフェトーク的対話セッション
アーティストの宇治野宗輝氏を囲んで、「情報発信」についての対話を行います。
宇治野宗輝氏のサイト http://the-rotators.com/

12月15日(木) 15:30-17:30 外濠校舎301教室
「十人十色ゲーム【法政大学編】」を作成するワークショップ
長岡研究室で開発中のコミュニケーションゲーム「十人十色ゲーム」の新たなバージョンをつくります。オリジナルバージョンは「食べ物」に関する話題を取り上げていましたが、今回は「法政大学編」の制作にチャレンジします。
「十人十色ゲーム」http://www.10nin10iro.net/

12月22日(木) 15:30-17:30 外濠校舎301教室
「がちゃトーク」による読書会(課題図書『プレイフルシンキング』)
上田信行先生の著作『プレイフルシンキング』の読書会を行います。ただし、今回はいわゆる輪読形式ではなく、「がちゃトーク」方式での読書会です。「がちゃトーク」とは、慶応義塾大学の加藤文俊先生と私が中心となって取り組んでいるプロジェクト「自画持参」で開発中の新たなコミュニケーションのやり方です。
「自画持参」 http://jigajisan.net/

 

12月に行う4回のゼミは、必ずしも「情報発信」と直接的な結びつきが明確ではありませんが、ここでの経験を「情報発信」することを通じて、「自分自身を問い直す」ことにチャレンジするつもりです。

 

 

 

カテゴリー: ゼミ活動

コメント

What's New

twitter